庭や畑の除草作業でやっかいだった1つが、ヤブガラシであった。
最初にこの名前を知ったときは、「藪枯らし」だろうか。
それとも、「藪辛子」だろうか、と思った。
いや、きっと前者に違いない、と考えた。
なぜなら、生命力が非常に強いから。
なにしろ地面から生えると、つるを伸ばしてどんどん他の植物にからみついて育っていくからだ。
そのうえ、除草していると、このつるはプツンと切れて根を残そうとする。
その残された根から、また新しいつるを伸ばして育っていく。
さらに、よく掘ってその根を見ると、なかなか深くまで入り込んでいて、その上太くなっていく。
まるでごぼうのような見た目の根が、しぶとく地中に残って、地上のつるを取っても取っても生えてくるから、非常に厄介であった。
調べてみると、予想通り「ヤブガラシ」は、「藪枯らし」であった。
ウイキによれば、
和名ヤブカラシ(ヤブガラシ)は、つるを伸ばして他の植物に絡みつき、薮を覆って木を枯らしてしまうほどの生育の旺盛さがあるのでこの名がある。 別名のビンボウカズラ(貧乏葛)の由来は、庭の手入れどころではない貧乏な人の住処に生い茂る、あるいはこの植物に絡まれた家屋が貧相に見える、またはこの植物が茂ったことが原因で貧乏になってしまう、などの意味に解釈されている。
なかなかのつわものの雑草だ。
だが、このつわものが、夏には花を咲かせる。
こんなかわいい花だ。
結構カラフルに見えるし、小さく丸い花は可愛い。
これも、ウイキによれば、花については、こんな解説がある。
花期は夏(6 - 8月ごろ)。葉腋から花柄を伸ばして偏平な集散花序がつき、多数の淡緑色の小花が徐々に開花する。花は直径約 5ミリメートル (mm) で薄緑色の花弁4枚と雄蕊が4本、雌蕊が1本ある。花弁と雄蕊は開花後半日ほどで散ってしまい、白色の雌蕊が中央に立った直径約3 mmの橙色の花盤(盤状の花托)が残る。この花盤は蜜が豊富で、蜂や蝶などの昆虫がよく集まる。多くの花が咲くが、他家受粉でしか結実出来ないため、種は少ない。花序は花弁が落ちるとピンク色になる。
なるほど。
だから、花にオレンジやピンクの色が見えるという訳だ。
草取りの相手とすると非常に手強いが、花見の相手とするとなかなかに可愛い。
それがヤブガラシの面白いところだ。