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四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

おやぢさんの詩集

2022-07-31 07:24:16 | 生かされて今日

  友人からご尊父の遺稿をまとめた詩集を送ってもらいました。

市井の老詩人が書き溜めた多数の詩の中から選択、三回忌に合わせて、『老鶯哀惜』と題して発行されたものです。

題名の老鶯とは夏うぐいす。あの美しい囀りで私達を喜ばしてくれます。老詩人にふさわしいよきタイトルとなりました。

 詩集冒頭には書斎で寛ぐ黒眼鏡の温顔の写真、そこは膨大な蔵書の棚に囲まれた谷間みたいな和室です。お父さんにとっては最高の居心地の空間で、安らぎと創作の現場だったのですね。

写真の蔵書を虫眼鏡で拡大して確かめるとあの歴史的大辞書『大言海(だいげんかい)』が。これで市井の文人だと理解しました。有名な句を思い出しました。

 大言海割つて字を出す稿始め   鷹羽狩行

詩集のなかで感動を呼ぶベスト作品は長男である友人への短詩です。

 

「願う」

 息子よ

私が死んだなら

遺骨は、

読みたくて

読み切れなかった、

本棚の

隅に、

暫くは置いてくれ

気が向いたなら

寂しがりやだった、

父の遺骨の前で、

酒をのんでくれないか、

酒好きだった

父と

遺骨と酒を酌み

言葉を交わしてくれるか。

                     

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日本文化のもと・聖徳太子

2022-07-04 12:42:28 | 生かされて今日

 今から約1420年も前に聖徳太子が「十七条憲法」を制定され、日本文化の礎が築かれました。大胆に外来の仏教の思想をもとにされているそうです。

頑迷な保守の部族を武力でなく説得、渡来の教え・哲学を大胆に受け入れた頭脳の柔らかさに敬服します。どんなにか頑迷な反対が有ったことでしょうか。

明治時代の功利的「文明」開化とは違う、思想・哲学・文化の受容です。

 

 『心の怒りを絶ち、おもての怒りをすて、人のたがうを怒らざれ。

人みな心あり。

彼よみすれば(ほめる)、すなはち我非なり。

我よみすれば、すなはち彼非なり。

我かならずしも聖にあらず。

彼かならずしも愚にあらず。』

 一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつう仏性)、人間の濁った目には見えないけれど、すべてのもの、人には釈尊になれる芽・DNAが植え込まれていると。

ありがたきことです。

 

 

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私の20句

2022-06-06 15:36:00 | 生かされて今日

 飯村寿美子名誉主宰が起こされたあかざ俳句会の「あかざ」誌が創刊100号に達しました。そこで各人自選の20句を披露する企画があり、私も30年近い研鑽努力の結晶を選んで掲載して頂きました。

いまだ初心の域を顧みずにお披露目いたします。縦書きにしたいところですが・・・

 

あかざ100号記念20句

   「父の相伴」

啓蟄や半音あがる地下の街

袋掛そらに白波たちにけり

昭和の背広昭和のレコード黴にほふ

しんちやんの三輪車の声ひろしま忌

枝豆やうれしきことをのみ数ふ

籠枕の探してをりぬ風の筋

僕にない父の商才めだか飼ふ

失念の会より電話くる大暑

オール5の妻の検診秋うらら

離れ離れの今わかちあふ望の月

秋深し見覚えの字の帰らざる

にぎやかな熊手や裏のぶあいさう

早世の父の相伴走り蕎麦

冬日和靴の混みあふ誕生日

寒菊や遺影の君がやあといふ

予備校全館寒灯を放ちけり

たまはりし万両嫁の来るやう

飛火する房総の山初明り

家に初日ををがむ幸せ申しけり

赤人の富士のうた詠む淑気かな

 

 

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暴力の愚かさよ

2022-05-18 10:18:46 | 生かされて今日

 『将来の戦争においては、核兵器が必ず用いられるべきこと。

しかもかかる兵器が人類の存続を脅かすものにかんがみ、我々は世界各国政府に対し、彼らの目的は世界戦争によってはとげられないということを自覚し、公に確認することを強く勧告する。』

イギリスの哲学者、最高の知識人たるバートランド・ラッセルの「一昔前」の声明文。

誠に残念だか、未だに人間、政治の愚かさはお釈迦様の生きておられた古代の世と変わらないのです。ああ・・・

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末法の時代

2022-05-02 08:23:18 | 生かされて今日

 お釈迦様の予言に『末法』の時代が来るとあり、パンデミックにプーチンの戦争が重なる今を指しているようです。 

 『形式的な宗教でさえおおむね無視されてしまう時代になるというのです。人々は利己的となり、自分の利益、自分の一家の利益、自分の団体の利益、自分の国の利益、自分の属する階級の利益ばかりを追求するために、それらの利益が衝突して常にいがみあうようになります。

我と我の角つきあいです。そのために、最後には多くの血を流すような不祥事が起こるのです。そこまでいかない普通のときでも、世の中はつねに大小の争いの連続、ほんとうの平和な生活が出来ないのです。

これを「闘諍堅固(とうじょうけんご)の時」といって現代がちょうどそれにあたります。』

        (法華経の新しい解釈  庭野日敬師)

「読み返す末法の章春の冷え」駿  今日は八十八夜です。

 末法だからこそ釈尊の教えの実践が必要なのです。だからこそ信仰者の布教伝道が世界平和のために求められております。

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納得させるスピーチ

2022-04-14 20:19:35 | 生かされて今日

 コロナ情報を会議やプレス等で発言される医学のエキスパートの方ってどうして能面の如く下ばかり見て抑揚なきスピーチになるのでしょうか。

国難の疫病を抑え込むには現状こうなんです、国際的にもこうしなければ感染が拡大しそうなんですと会議参加者、国民を「説得」する熱意が汲み取れません。

らんらんと目線を上げてもつと心に届く、訴える力を見せて下さい。

ハッタリの政治屋とは違うといえども、エリートの公僕なのです。

よく言えば淡々と遠慮がちに伝え科学者の責任を全うされているとは思いますが物足りないのです。出る杭は打たれるでしょうが、強く主張し不案内の国民を説き伏せる、説得する姿勢を見せて下さい。

スピーチや議論の訓練がない日本の教育では無理なんでしょうか。

また、首相の記者会見もパソコンばかり見ている記者の羊の様な従順な光景にも驚きます。かみついて下さいエリート諸君。

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戦艦大和の最後

2022-04-07 19:42:42 | 生かされて今日

 今日は不沈艦と称せられた「戦艦大和」が、成功の見込みなき無謀なトップの判断により3000柱が海で殺されました。沖縄防衛の踏み台、砲台として日本本土に帰投する重油も与えられず・・・。なんという薄幸な兵員の運命でしょうか。妻や子供や父母はどう耐え忍んだのでしょう。いまだ遺骨さえほったらかしです。

無責任きまわる軍上層部の責任はどう糾弾されたのでしょうか。

21世紀になってもウクライナの虐殺、拷問、強姦、核ボタンの情報はヘドがでるほどです。

愚かなプーチン悪魔により考えられない地獄がこの同じ地球上で現実におこっています。目を背けたいような同時代の友人たちの地獄をさえ救えない人類の愚かさ、政治体制、国連、国民、私達。

 その上に人間の強欲貪欲が、肝心な水の地球をも壊そうとしています。

頭脳に恵まれた人間が狂ってるのです。私達は自分ふくめて人類がまともに戻るよう祈るしかありません。

南無妙法蓮華経

 

 

 

 

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大岡川の花ざかり

2022-04-04 17:34:27 | 生かされて今日

 今年の横浜の桜は寒の戻りが多くだいぶ日持ちして得した感じです。南区を流れる大岡川沿いに東京湾河口近くまで櫻、さくら、サクラです。まず観音で有名な弘明寺へごあいさつ。かんのん橋から川下へ。

Y高裏から遊具いっぱいの蒔田公園、お三の宮、京急黄金町まで楽しみました。

モーターボートも、カヤックものぼって来ます。外人さんもまじりニッポンの春を満喫出来ました。しかし、ウクライナの国難、残虐のプーチンに心が痛みました。 南区のガイドマップはよく出来ていて感心しました。

○川へしだるる両岸の花ざかり

○甲子園へ走るY高花の下

○パドル漕ぐいろどりの来る花の下

○橋かけし僧のほこらや花の下

○濱の新地の妖しくなびく柳の芽

○いかり肩なで肩と行く花見かな

○春昼や薬缶の燗と海ぶどう

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戦争は絶対に止めよ

2022-03-12 17:42:32 | 生かされて今日

 愚かものプーチンが核のボタンをちらつかせて世界中を日々恐怖に落とし入れております。コロナに戦争で朝刊を取りにゆく楽しみが消え、テレビも見たくありません。

年寄りやご婦人、赤ん坊、少年少女たちが戦場に投げ出されまさに地獄です。私達はありがたい食事もいただいていいのかと・・・。

 こんなに文明が進んでもこんな愚かなことが、オリンピックの最中に続いています。人類のまさに危機です。

 だから日本も憲法を改悪し核兵器や強大な軍備をという危険な考えが起きてきます。われわれ仏教徒は「絶対不戦」の釈尊の戒めを守ります。恨みは恨みを呼ぶ戦争は絶対許さない、憲法9条を守りましょう。

政治の役割は①国民を飢えから守る。②戦争をしないこと。(菅原文太さん)

 私達は毎日の法華経読誦で戦争終結を祈っております。南無妙法蓮華経

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プーチン悪業を止めよ

2022-02-25 07:34:36 | 生かされて今日

 『もろもろの悪しきわざをなすとも おろかの人はふかく悟らず

まこと 智すくなきものは 火に焼かるるごとく おのれのわざにより

みずから苦しむなり』 法句経

 

 プーチン、人を殺すな。残忍な牙をむき出したヒトラーのようである。この文明世界を2500年前のお釈迦さまの古代の暴力時代に戻しました。ゴロツキ・プーチン知恵に目覚めよ。

 北方領土でさんざん遊ばれたアベ内閣、外交の弱さを嘆いています。

「凍返る地図に指さすウクライナ」駿

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へそ曲がりの意見

2022-01-26 11:27:47 | 生かされて今日

 今年の大寒はオミクロン株に蹂躙され、老にはより身にこたえます。

翁最晩年の句に「此秋は何で年よる雲に鳥」があります。

旅寝を重ねた老身に死期がにじり倚る寂しさを嘆息されました。下五の「雲に鳥」が絶妙な措辞で、苦しんで苦しんで吐かれた言葉だそうです。

白雲の中に一羽の鳥が吸い込まれてゆく遠望を自分の生涯に重ねられたのでしょう。身にしみます。

 さて、年賀状に「来年からは差し上げませんので」と添書きが多くなりました。賀状を出すか出さないかは各人の好みでもちろん自由です。

 が、私は年賀状は今年を寿ぐお祝いが趣旨ですから、「ついでに」さよならを予告するのはいかがかと違和感があります。

喪中欠礼のように年末の別便をもって挨拶すべきではないでしょうか。へそ曲がりから嫌味をチクリと申し上げました。

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芭蕉翁の名文

2021-12-21 08:29:50 | 生かされて今日

『さゞ波の音近く、三井の鐘聞こゆるあたり、暫く旅の宿りを求む。

あるじは高橋瓢千といふ。志、風雅を好み、身貧をいとはず。

風雅(俳諧のこと)はわが好むところにして、貧は我友なり。

栖は膝を入るるのみにして、狭きうれへ有りといへども、

馬・車の通ひすぎにあづからざる悦び有。

足らざるを楽しみて淋しきを又友とす

「此宿は水鶏も知らぬ戸ぼそ哉」ばせを』

 琵琶湖近くの貧家に泊めてくれた風雅な友を讃えた名文である。少欲知足を忘れ物欲に猛る現代人に耳が痛い文章です。

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三渓園に秋惜しむ

2021-11-29 09:29:21 | 生かされて今日

 横浜の名苑、三渓園は綿花輸出で財を成した原三渓翁の遺して頂いた宝です。全国から収集した美術品、歴史的建造物、銘木を東京湾に近き広大な敷地に大池を中心に展開、散策や吟行、癒やしにベストです。

今やもみぢの時節、冬日和に恵まれてエントランスからもう多数の市民、観光客、異国の家族らが列をなしていました。普段にはない風景です。

 夜もライトアップでロマンチックな紅葉、黄葉を楽しめるそうでアベックも多いです。そうそう、句会で「今はカップルと言うのよ」と教えてくれました。なるほど。

まづ折れ折れの枯れ蘆に目がゆきます。晩年のおのが姿のようですが、枯淡の味わい、芭蕉翁のわびの美です。水鳥の浮き沈みする大池から五重塔の景色はすばらしい。

 石棺にイチョウ落葉が一枚、よく見ると底には溝が彫られて穴も開いていました。銀杏が最盛期です。夕日はつるべ落とし、北風は尖ってきて退散しました。

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うれしい話

2021-10-09 07:33:24 | 生かされて今日

 俳句に入門されて大喜びしている友がいます。まだ入門半年足らずのご婦人です。

夫婦でお仕事されていたそうですがご主人の病から今は介護の暮らしです。

当初妻が句会に出かけることに不満だったご主人が、俳句に興味を持ち、家に持ち帰る句会の作品をめぐり夫婦の対話が増えたそうです。句をつくる時にも色々アドバイスをくれるようになり喜んでおられます。

感想や批評を交え、身近な季語に気づき、知らなかった語彙など二人の間の新しい接点を俳句が生み出したのです。先日も一ヶ月後の句会が待ち遠しいと帰って行かれました。

 俳句愛好者をふやすことはひとつの社会貢献だと私は確信しております。「病院へ行くより句会へ」です。

大自然の四季と共に日々を暮し、奥深い日本の伝統文芸、古典に触れる喜びは心の開放、潤いをもたらすと思います。その上に夫婦円満が深まれば更にうれしいことです。

あなたも新しい楽しみを見つけませんか。自分の古い殻を破る行動を起こしましょう。「他人は変えられませんが、自分は変われます」よ。

 

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『おくのほそ道』はスルメの味

2021-09-10 15:59:12 | 生かされて今日

 5ヵ月間2400キロ(日本の南北に相当)、未知の地へのわらじの旅を原稿用紙だと30枚程度に凝縮したこの作品は、叩けば叩くほど、噛めば噛むほど滋味が生まれて驚かされます。

お経と同じで受け手の心境に応じて反響が違うようです。昭和十八年発見された「曽良旅日記」と併読すると、翁のリズム豊かな名文もさることながら、ポエム一巻に仕立てるために書き出しから掉尾まで創作(嘘)をまじえた構成力には感嘆します。

 それを証明出来たのは生真面目な秘書役の河合曽良であり、その旅の実録が見つかった賜物なのです。石川県山中温泉で曽良と別れた為にそこから結びの地大垣まで旅の実録がなく学者に苦労させるのも面白い。

 大輪上智大名誉教授によると『おくのほそ道』に載る翁の50句のうち、旅で作った原句のままは18、旅の後で修正した句は21、旅の後で作った句が11もあるそうで6割以上は実録と異なる脚色の由です。

『おくのほそ道』は記録紀行文でなく創作ポエムなのです。

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