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四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

水無月のあかざ句会

2013-06-24 15:08:50 | 俳句

 早くも今年の折り返し地点、六月も果てようとしております。23日は沖縄の忌日、昭和20年6月民間人を巻き添えにした残酷極まりない地上戦で沖縄の日本が壊滅した日でした。68年前に体験された方々には、口には言えないむごい記憶を思い出したくないと無言のまな亡くなった人も多いことでしょう。トラウマとなっているのです。私たちは人しれず命を奪われた方々のお蔭さまで生きております。

六月句会での作品をご紹介してみます。兼題は「竹」でした。

  ◯言ひたくて聞きたくて竹皮を脱ぐ   英子

  ◯竹とんぼ高し父の日の空を得て   照子

  ◯父の日が慎み深くやって来た    明

     ◯竹おちば万葉がなの妣(はは)の文   夢梨

     ◯結婚記念日初生りトマト分け合うて   夢梨

     ◯逃水の中より友の現れし        土太郎

     ◯籐椅子に孤島のごとく妊婦かな   好子

     ◯父の日の夫の鈍りし勘と運      好子

  ◯お袋の来てゐる気配竹の散る    駿

  ◯とびきりの忘れものあるやうな虹   駿

  ◯身を反らし空さぐりつつ実梅もぐ   教子

 

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苦しんで楽しい句会

2013-04-29 04:40:26 | 俳句

 日本伝統の俳句は、わずか17文字で感動した心のうちや情景を瞬時に切り取る文芸です。省略のきいた作品は、読み手に恵まれると作者の思い以上の感動をもたらします。想像をふくらませるよき読み手が必要なのです。作者名を伏せて作品の発表、批評の場が句会です。

江戸時代のように身分がモノを言う世界では、ペンネームつまり俳号を使うことでみんなイーブンの関係に立てました。

本来句会は上下関係を離れた平等の世界ですが、「俳句教室的句会」では主宰の好みが絶対というおかしなところへ堕するリスクもあります。作者名を伏せた相互批評こそがおもしろいのです。苦しんで生み出した作品は、どのように解釈されようがどのように読まれようと自由、作者があーだこうだと説明するのは愚の骨頂なのです。あなたもハイクしませんか。

春の句会の私の感銘した作品をどうぞ。

    ☆たとふれば野を駆けまはる春の駒   恵美子

    ☆身ほとりへ天眼鏡を置く日永      美津子

    ☆のみこんだ言葉の先や鳥雲に     英子

       ☆ものたりぬ鸚鵡返しの春炬燵      がゆう

       ☆花の下ひとりとひとりの二人かな    好子

私の作品 

    羊水のなかの酔歩やおぼろ月    駿

    あるだけの釦たたみに春惜しむ

    夢の途中を売られてをりぬ桜鯛



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花の王様ぼたん

2013-04-18 07:24:39 | 俳句

 豪華絢爛、傾城の美女で手にあまる大きな牡丹の花の季節です。まさに花の中のキングと言えましょう。

ご近所のお庭に今を盛りと咲き誇って、たまたま美女に行き合い儲かった心地でした。草むしりの老紳士が花のあるじで、お話しをました。今年は雨がなく長持ちしてるそうです。ここ横浜市金沢区の区の花がボタン、ご主人は初耳だと驚かれました。区の中心地(京急金沢文庫駅から金沢八景駅)は内海の底でしたが江戸初期から幕末までの間少しずつ埋立したところです。埋め立ては永島家の泥亀翁から始まり、その名から泥亀町(でいきちょう)の町名が遺されました。永島家は塩の独占販売などで大富豪となり、野島の大邸宅には牡丹園があったそうです。そこにちなんで区の花はボタンと決められたそうです。

与謝蕪村はボタンが好きだったようで次の句があります。

 ★牡丹散つてうちかさなりぬ二三片

 ★虹を吐てひらかんとする牡丹かな

 ★山蟻のあからさまなり白牡丹

 ★牡丹切て気のおとろひし夕べかな

 ★地車のとどろとひびく牡丹かな

 

私の今朝の作品

 ☆ブラウスの眩しき翳り白牡丹

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高校生の俳句大会

2013-03-17 16:47:38 | 俳句

 春うららの16日、神奈川大学講堂で全国高校生俳句大賞の授賞式と講演会に出向きました。俳句界は残念ながら少子高齢化に押しまくられ、昨今の労働事情の厳しさも災いしてどうしても爺とババだけの句会になり勝ちです。おそらくどこの句会でも青春時代と壮年現役世代の方々の参入が切に望まれるのです。

文芸へ理解ある教師のご努力で第16回目の大会は全国高校の169校から9700通の投句があったそうで、頼もしく感じました。表彰される優秀校や入選した生徒たちを見上げると後生畏るべしで、立派な詩人が湧きだしそうな嬉しさを感じました。ご多忙の金子兜太(朝日俳壇選者)さんや宇多喜代子(読売俳壇選者)さん、大串章(朝日俳壇選者)さんや俳人の黛まどかさん、俳文学者の復本一郎さんがご出席され、あたたかく後輩たちを励まされました。

東京の開成高校や立教高校、大阪の吹田東高校に伍してわが神奈川県から厚木東高校が最優秀校に選ばれました。我があかざ俳句会の飯村寿美子主宰は厚木東高校のOGで、きっと大喜びだと思いました。広島高校、国士舘高校や愛知聖霊高校も表彰されました。

★青田風今日は転校生が来る      平井皆人

★夏めくやプレパラートを日に透かし  網倉朔太郎

★棗舐めて試験の反省したる      大池莉奈

★推敲の跡そのままの涼しさよ     園田 葉

 

 

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文人の俳句

2012-11-10 05:40:44 | 俳句

 中公新書『文人たちの句境』関森勝夫著を読んでいます。副題が「漱石・龍之介から万太郎まで」とあり好著です。俳句専業でなく手すさびの作品ですが、さすがに文芸に秀でた方々の句は教養に富、いやらしさがなく素直な好句が多い。明治は遠くなりにけりの文豪たちですが、恋心は万古不易です。真っ先に読んだのは「女人賛歌」、恋のうたです。

 ☆黒塀にあたるや妹が雪礫  夏目漱石(慶応3年生)

   私が一番好きな句で手帳に書きうつしました。あの厳粛なお顔の文豪に、こんな青春、純情があったのですね。ふたりの仲がうらやましい限りです。黒塀が 懐かしいなぁ。和服の美人に「このひとわぁ」と雪を投げつけてもらいたいものです。わが明治生まれの父ははにもこのような恋があったでしょう。

 

☆萩の露こぼさじと折るをんなかな  幸田露伴(慶応3年生)

   どんな和服の、しとやかなお方ならんと想像が膨らみます。「をんな」の表記、音がなまめいて日本人に生まれて良かったと思います。

 

☆女湯の声の覚えや春の宵   会津八一(明治14年生)

   生ぬるい春風に女湯の声、色っぽい句ですね。いろんな声の中からなじみの女に気付いたのです。

 

☆明眸の見るもの沖の遠花火   芥川龍之介(明治25年生)

   花火より景色よりも、横にいる浴衣姿の美女をいとおしく眺めているんです。


 ☆雪ふるといひしばかりの人しづか   室生犀星(明治22年生)

    いいですねー。炬燵のふたりでしょうか。

☆ほほゑめばゑくぼこぼるる暖炉かな  室生犀星

   洋間の暖炉でのふたりきり。このしあわせもん、勝手にしろと言いたくなる気配です。

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秋惜しむ

2012-10-30 12:10:55 | 俳句

 東京駅は大正3年、今から98年前に完成しました。第一次世界大戦が起こり、首相は大隈重信の時代です。夕景の煉瓦ビルは素敵でした。

て、あかざ俳句会の十月句会の兼題は「嘘」で、身近な切ないテーマで大いに盛り上がりました。嘘がなければ油の切れた機械みたいな人間関係になりますもの。

  最高点は邦彦さん

◎小さき嘘つきて月下の母看取る 

   慈悲の嘘、愛ある嘘もあります。昨日のお月様は栗名月、後の月で月明かりに驚きました。母思いの邦彦さんの優しさが句ににじんでいます。

  嘘の高点句

◯ぶだうに指染めてやつぱり嘘言へず  寿美子主宰

◯菊膾笑わぬ人へ嘘少し     好子

◯鳥兜嘘つくときは横を向き   花子

◯嘘泣きの涙ひとつぶマスカット   照子

◯嘘泣きの児の眼にやがてひつじ雲  みやこ

私の嘘は

◯きのこ汁聞かされてゐる噓つ八

 

 

 

 

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芭蕉さん残暑に苦しむ

2012-08-22 13:26:38 | 俳句

  深川を出て知らぬ地を日に約30余km、わらじ履きで歩きぬかれた気力に驚かされます。太平洋側から奥羽山脈を横断し、日本海側の新潟から金沢までは陽暦の「暑甚だし」い8月でさすがに疲労がたまり、しばしば体調不良が曾良日記に多くなります。

おくのほそ道にも「暑湿の労に神をなやまし、病おこりてことを記さず」と。しかし名吟、荒海や佐渡によこたふ天河 が生まれました。

 8月の炎暑を翁の旅で今体感すると、「かかる病覚束なしといへど、羇旅辺土の行脚、捨身無常の観念道路にしなん、是天の命なり」とあるのが大げさではないと実感されます。腹の病と痔の病気持ちですから、野垂れ死に、野ざらし(しゃれこうべ)を天命だと諦観した覚悟がわかります。自らを命がけの土俵際に追い込んでまで美的感覚を研ぎ澄ます風狂にはたじろぐばかりです。

新潟を横断して富山県高岡へ8月28日に着く。「翁、気色よからず。暑きわめてはなはだし」 曾良日記。

金沢9泊の滞在中、曾良の体調不調が4日間も日記に記されています。「予、病気故したがはず」、「高徹に逢、薬を乞う」、「予、病気故、未ノ刻ヨリ行。先達テ帰」、「予、病気故行かず。徹ヨリ薬請」など。

 曽良はとうとう山中温泉滞在中の陽暦9月18日、芭蕉翁に別れます。「曾良は腹を病みて伊勢の国長島と云うところにゆかりあれば先立ちて行くに

ゆき行きてたふれ伏すとも萩の原  曾良

夜もすがら秋風聞くやうらの山  曽良」。

 別行動となった為に以降、曽良日記で芭蕉さんの旅程を正確に確かめることが出来なくなりました。幸いに二人はおくのほそ道結びの地、大垣で再会することになります。

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炎暑のあかざ句会

2012-07-29 11:26:32 | 俳句

 80代のご婦人をはじめとして炎暑の中で月例句会を楽しみました。暮らしの喜怒哀楽を五七五のわずか17文字におさめるのには苦しみます。でも句会で共感してくれる方がいると、ヤッターという嬉しさがひとしおなのです。苦しんで楽しむのが俳句、より多くの方が身近で庶民的な歌づくりに気づかれることを願っております。

 俳句は高尚な趣味というのは悲しい誤解です。庶民が楽しめる入門しやすい趣味で、生涯学習にふさわしい奥の深さがあります。

今月の兼題は「駅」でした。

 新宿駅十万人の更衣(ころもがえ)   明

 灼くる日のるつぼに駅の引込み線   寿美子主宰

 タンクトップ駅に海辺の生まれけり   駿

 見惚るるももの言ふまでのサングラス  好子

 鈍痛のリズム灼けたる貨車の過ぐ    邦彦

 ドン・キホーテに成つてゐたりし昼寝覚  夢梨

 人に逢ふことの嬉しさ小判草      美津子

 父ははへ吾を飛ばしけり盆灯籠     駿

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あかざ俳句会の20周年

2012-05-01 13:59:37 | 俳句
 私の所属するあかざ俳句会が20周年を迎えました。飯村寿美子主宰の情熱と粘り強い指導で会員数が伸びて、北海道、宮城、栃木、茨木、東京、静岡、岐阜を含め100名の規模となりました。日本伝統の17文字の短詩、俳句の素晴らしさに気づかれる方が多くなることは、ひからびた効率オンリーの損得勘定の憂世にうるおいを与えることが出来ます。私は常々俳句をお勧めすることは人助け、四季と歩むことで心が救われる契機となると周囲に申し上げています。
 午前中の第一会場では、あかざ賞や新人賞、功労賞などの表彰、通信句会の結果発表に続いて、信州大学渋谷名誉教授の「姉とわたし」の講演が行われました。先生は長野県に住む主宰の弟さんで、今日は和服の奥さまと来て下さいました。奥さまとの出会いはアメリカへ留学するために横浜港を出港した「プレジデント・ウイルソン号」の船中だそうで、奥さまはまだ16才だったそうです。科学者の弟から姉の寿美子主宰をたのしく話され、会員が食い入るように聞いていました。
 午後の第二会場はホテルで記念撮影をした後レストランで懇親会です。寿美子主宰の夫君はトキの保護運動もされている農学博士で、温顔を出して頂き植物図鑑を調べると「あかざ」はほうれん草と親戚の植物だと話されました。
 主宰一族のアットホームなお陰で愉快な時を過ごせました。
 なお、通信句会の高点句は次の通り。

○啓蟄や小芥子に手足でる気配  久夫
○つるし雛宇宙へ行ける話など  照子
○口笛の芽吹きの山を下りてくる  幸子
○初午や鼻赤くして七味売り    京子
○春キャベツ剥ぐ告白をするやうに 好子
○可も不可も家族は似たり豆の花  英子

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春の文化祭に

2012-03-09 07:59:04 | 俳句
 楷の木(かいのき)俳句の会は釜利谷地区センターで18年も続いている楽しい句会です。仙人みたいな鶴巻ちしろ先生の斬新で大胆な嗜好に惹かれて欠席する人がほとんどありません。人格見識、高潔のちしろファンが多いのです。文化祭に作品を持ち寄り参加しました。私は紙の丸いトレーを使って一句したためました。下記の最後の句の前で涙を拭く見学者を見ました。

○津軽じょんがら節から雪降り出す   ちしろ
○北風にまたがって出かけるとする   ちしろ

○につぽんの胎内にをり菖蒲園     駿
○雪降る日亡母と一緒のかくれんぼ   恭子

○霜の花かの世に時計ありますか    佳子
○どんぐりの落ち来る所そらの穴    けんじ

○虹の中母と兄とが会えたかな     幸子
○春の星どこかで拳の力抜く      量子

○不都合のあちこち宥め日向ぼこ    稔
○雪しんしん白骨となり相馬牛     りつ子
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三渓園での観梅俳句大会

2012-02-27 05:22:46 | 俳句
 「春は名のみの」寒さで横浜の梅の名所・三渓園でも蕾がちで、未だ色なき景色でした。二十六日、園内にある原三渓翁のお住まいだった鶴翔閣(横浜市有形文化財)で観梅俳句大会が開催されました。翁は百年前に親しい方を招いて観梅会をされていたそうです。私たち横浜横浜俳話会(山本一歩会長)の役員は手弁当で準備し下働きをいたしました。高齢化時代に俳句はうってつけの生涯学習と確信します。より多数の俳句入門者を増やしたいと願っています。
 余寒の中を140余の俳句愛好家が集まり、伝統の文芸に遊びました。ベストテンは下記の通りでした。ほんとに皆さんはうまいなーぁ。日頃の鍛錬の賜です。

横浜市長賞     臥龍梅わたしに力瘤二つ      伊藤久生
三渓園理事長賞   うしろ手を正して梅を仰ぎけり   小林比奈子

横浜横浜俳話会長賞 いろいろな梅いろいろな岐れ径   小林一子
三渓園園長賞    水仙の日溜りはまた風溜り     鈴石紫苑

朝日新聞社賞    まっすぐに生きてるつもり臥龍梅  加賀田せん翠
神奈川新聞社賞   好きな道好きに歩いて木の芽風   浅沼さつき

産経新聞社賞    紅梅に声掛けてみるほめてみる   伊藤方恵
日本経済新聞社賞  其のむかし此処より海よ梅三分   尾崎よしゑ

毎日新聞社賞    水ぬるむ岸辺は人の寄るところ   谷口ふみ子
読売新聞社賞    賑ひてゐて閑かなり梅の園     橋本栄二
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師走の句会

2011-12-18 17:55:23 | 俳句
 あかざ俳句会の師走句会は港の見える丘公園に近い神奈川近代文学館でひらかれました。冬日さんさんと降る暖かな一日で、しばらく体調を崩されていた方が、御主人さんの車で久しぶりに参加できて拍手に迎えられました。旦那さんのやさしさに感謝です。句会のあとは忘年会を横浜中華街で開催、元気で俳句を楽しめることをお互い様感謝して別れました。
 感銘句、高点句は次の通りです。

○重たさを腸に感ずる寒さかな   土太郎(旭川)
○曇天へいろ足す石蕗の花あかり  美津子
○柚子を煮る香り家中ふくらませ  恵美子
○凍雲や浅き呼吸の川原石     正浩

○骨だけの傘横たはる開戦日    駿
○加速する街のまたたきクリスマス 駿
○極月や耳に棲みつく発車ベル   邦彦
○木版のベタの擦りむら冬ざるる  邦彦
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ふるさとの少年たちの句

2011-12-07 16:34:38 | 俳句
 鹿児島の俳人・福永耕二顕彰会と南日本新聞主催の「かわなべ青の俳句大会」の審査結果の発表がなされました。高校生以下の生徒の俳句大会です。私が感銘した作品は下記の通り。
感覚が柔らかく新鮮な時に日本伝統の詩づくりにトライすることは、ガリ勉に塾通いがはやる世相の中できっと豊かな情操の育成に役立ちます。先生方のご努力に頭が下がりました。

南日本新聞社賞 
   死産した子をなめる牛夏暮れる  市来農芸高校3年 砂坂 君
南九州市長賞
   剣道の面脱ぎしより蝉しぐれ   鹿児島高校2年  鎌田 君
鹿児島県俳人協会賞
   あの子いたおうちの場所にこいのぼり 池田小3年  上田 君

   ハードルの波の向こうにゆらぐ夏   舞鶴中1年  西 さん
鹿児島県知事賞
   稲光大樹の影が地を走る     川辺高校2年   佐多 君

 福永耕二氏は私の高校の先輩で、若くして水原秋櫻子の「馬酔木」編集長をされ、大器でしたが惜しくも42才で逝かれました。

 ○新宿ははるかなる墓碑鳥渡る
 ○雲青嶺母あるかぎりわが故郷
 ○浮寝鳥海風は息長きかな

この「かわなべ青の俳句大会」の審査委員長である俳人・渕脇 護氏は、東京世田谷区烏山のわが青春の岩崎学生寮の先輩で、学生寮の寮歌を作詞されました。
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席題は「受」と「照紅葉」でした

2011-10-16 07:45:15 | 俳句
 体育の日の10日、第56回横浜俳句大会が開かれて席題が出されました。席題とは句会当日に出される言葉で、それを織り込んで短時間で句を作る(即吟)必要があります。今回の席題は、「受」と「照紅葉」で、いずれかを選んで投句します。
表彰された10句は次の通りです。みな瞬発力ある方々ですね。

横浜市長賞 
   八十路いま受身に生きてふかし藷   名和美知子
神奈川県議会議長賞
   親なくも故郷ありけり照紅葉     大西昭舟
横浜市議会長賞
   蓑虫はぶらり禍福を受け流す     松井光子
横浜市教育委員会賞
   声がしている裏山の照紅葉      門谷杜人
横浜横浜俳話会長賞
   刈田原星の生まれる音を受く     山本恵子

朝日新聞社賞
   ふるさとは吾の受け皿零余子(むかご)落つ
                     芝岡友衛
毎日新聞社賞
   受話器置いてしまえばさみし秋の空  山本一歩
読売新聞社賞
   照紅葉かくも明るき別れかな     金子文枝
横浜横浜俳話会賞
   照紅葉いつもどこかが筋肉痛     鹿又英一
新俳句人連盟賞
   赤蜻蛉虚子の墓域に名刺受      大木典子

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第56回 横浜俳句大会

2011-10-11 12:06:12 | 俳句
 今日11日は大震災7ヶ月、2万人の犠牲者と早期復興を願い仏間で読経をあげさせて頂きました。なお、10月12日は芭蕉忌で栗名月です。平安時代からのニッポンの美意識の象徴、外に出てわが名月を仰ぎましょう。
 10日の爽快な体育の日、半世紀を超える伝統の横浜俳句大会がかながわ県民センター大ホールで開催されました。私たち横浜横浜俳話会の役員は9時集合準備して俳句愛好家を待ちました。私は新聞社からお預かりした立派な入賞盾を両手に運びました。いつも他人の為に手配するばかりで、一度くらいはその盾を頂きたいものです。154名の来場者の盛会となりました。大会役員としてありがたい事です。入選作品は次のとおりです。おめでとうございます。(敬称略)

神奈川県知事賞
  夕立のあとにんげんは軽くなる   中嶋文枝(92歳)
横浜市長賞
  夫の手を握るためゆく冬病棟    金子文枝
神奈川県議会議長賞
  また別の秋風に会ふ坂の上     斉藤加代子
横浜市会議会議長賞
  八月の無音の空の高さかな     大西昭舟
横浜市教育委員会賞
  眠るだけ寝ては出てゆく帰省の子  小林比奈子

横浜横浜俳話会賞
  豆の花どれも飛びたきかたちして  大垣孝子
朝日新聞社賞
  風鈴の音引越してしまひけり    山本一歩(横浜俳話会会長)
神奈川新聞社賞
  診断は加齢の一語花うつぎ     穴水よね子
産経新聞社賞
  暮れゆく父の日父がいるように   内田秀子
毎日新聞社賞
  世の中がきれいに見える青すだれ  中原善江

読売新聞社賞
  水まろくまろく白桃洗ひけり    高橋艶子
神奈川県現代俳句協会賞
  郭公やサラダのような朝がくる   鴫原さき子
日本伝統俳句協会賞
  冬瓜のなやんだことのない形状   松塚大地
横浜文芸懇話会賞
  原爆忌一杯の水重きかな      多田武峰

私は佳作で初めて入賞しました。
  娶らざる息子ばかりや目高殖ゆ  駿
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