早くも今年の折り返し地点、六月も果てようとしております。23日は沖縄の忌日、昭和20年6月民間人を巻き添えにした残酷極まりない地上戦で沖縄の日本が壊滅した日でした。68年前に体験された方々には、口には言えないむごい記憶を思い出したくないと無言のまな亡くなった人も多いことでしょう。トラウマとなっているのです。私たちは人しれず命を奪われた方々のお蔭さまで生きております。
六月句会での作品をご紹介してみます。兼題は「竹」でした。
◯言ひたくて聞きたくて竹皮を脱ぐ 英子
◯竹とんぼ高し父の日の空を得て 照子
◯父の日が慎み深くやって来た 明
◯竹おちば万葉がなの妣(はは)の文 夢梨
◯結婚記念日初生りトマト分け合うて 夢梨
◯逃水の中より友の現れし 土太郎
◯籐椅子に孤島のごとく妊婦かな 好子
◯父の日の夫の鈍りし勘と運 好子
◯お袋の来てゐる気配竹の散る 駿
◯とびきりの忘れものあるやうな虹 駿
◯身を反らし空さぐりつつ実梅もぐ 教子