俳誌「つぐみ」の俳句交流欄に下記の文を掲載して頂きました。有難いことです。さて、陽暦に換算すると「おくのほそ道」の芭蕉さんは昨日から山中温泉に滞在中です。
『好句の古きより、悪しき句の新しきを俳諧の第一とす。』(山中問答) 芭蕉さんのお言葉です。句材の範囲や言葉、表現や韻律に安住して思い切った冒険、実験をしない態度を戒められております。句作りの技法ではなく人の生き方、心の姿勢を指摘されていると鶴巻ちしろ氏は述べておられます(「実作の芭蕉」現代俳句協会)。私には耳が痛いご指摘です。
ゆれてゐる私
☆西日射すダリの時計のやうな坂
☆変体仮名のまきつく授業日の盛り
☆とびきりの忘れものあるやうな虹
☆マニキュアの小貝ほどなる素足かな
☆アカンサス模様いふて清水を掬ひけり
☆ゆれてゐるアルトやきみの目涼し
☆縁づかぬ姪つ子五人プラム買ふ