『心がどれほど体に影響するか、案外知らずにいる人が多いのではないでしょうか。庭野平和賞を受賞されたノーマン・カズンズ博士は、膠原病にかかったときに、「どんな患者も自分の中に主治医を持っている。それをどう引きだすかだ」というシュバイツァー博士の言葉を思いだして、「笑う治療法」で病気を克服されたのだそうです。
笑うと、血液の流れがよくなって、ウイルス感染から細胞を守るインターフェロンが働きだし、不快な顔になると、とたんにその流れが止まってしまうことが、最近の医学で分かってきたそうです。無理に笑うのでも、効果があるといいます。
確かに、どんな苦しいときであっても笑顔をつくると、心が明るくなってくるのですね。
いつも苦虫をかみつぶしたような顔をしている人がいますが、こっちが笑顔で接していくと、表情が和みます。布施の一つに笑顔で人に接する「和顔施(わげんせ)」があるのはご存じでしょう。
和顔施は、何がなくても、だれもが、いつでもできる布施行です。その布施で相手が心も体も健康になり、自分も健康になれるのですから、まさに「和顔施は人のためならず」です。』
庭野日敬著『開祖随感』より