『好き合って結婚してはみたけども、「やっぱり性格が合わないから別れよう」と、まことに簡単な考えで離婚してしまう人が増えているといいます。
しかし、夫婦になるというのは、そんな簡単な縁ではないのですね。
結婚は縁ものといいますが、人は自分にふさわしい人に引き寄せられ、ふさわしい人が自分に寄ってきて、夫婦となります。その出会いは、自分が人間として向上していくための“同行”としてお手配になった相手同士ともいえましょう。
法華経の教えは道を行くことにあります。たまり水はじきに腐ってしまうように、人間も、いつまでも同じところにとどまっているとだめになってしまいます。一歩一歩前進し、一段一段、階段をのぼらなくてはならないのですが、その修行が、一緒に向上しようという相手がいないと難しいのです。
ところが、その相棒がしばしば大きな壁に見えるときがあるのですね。
しかし、その壁が大きく見えるときこそ自分が変われるチャンスなのです。
この見方ができるようになって初めて、夫婦が互いに長所も短所もひっくるめて拝み合えるようになるのです。』
立正佼成会 開祖 庭野日敬師の言葉