
伊根湾巡りの遊覧の終わりに近づく頃、舟屋の並びに舟の向きが変わり慌てて反対側の座席に移った。
もう鳥たちが見えないと思いながらカメラを向けたが、何羽かが、目の前を飛び交っている。
この伝統的な猟師の海に面した家並みの遊覧に、デジカメをまだ持っていなかった頃、水泳のOB会から連れて来て貰った。蟹を食べるのが目当てだったので、冬の初めだった。
蟹よりもこの伊根の舟屋の印象が強く、是非もう一度来たかった。

山を背にして、海に面して建ち並ぶ舟屋は、夕暮れの海に影を映してまるで、海に浮かぶように見える。
1階が漁船のガレージであり、漁に出るための作業場であり、物置としても使われていると、説明がスピーカーから流れてくる。
舟屋にとって海側が玄関であり、海は道路の役目をしてきたのだと・・・

2階は、住居や民宿であったり、若者の部屋として使い、親は舟屋の後ろに別棟の家を立てているところもあるらしい。
近頃は漁船が大きくなったりして、舟屋のガレージに入らないものもあるとのこと。
この伝統的な猟師の家屋にも時代の波が押し寄せているのを感じた。
しかし、このような舟屋の景観が、美しい伊根の海がある限り、守り続けられると信じていたいし、美観地区として大切にされているのを感じた。