カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

浄瑠璃寺・参道の馬酔木は花盛り

2012年03月31日 | △ 旅 あれこれ ドライブ

京都府木津川市加茂町にある浄瑠璃寺は、京都のお寺というより奈良の古寺といった印象の方が強い。
奈良市に隣接する当尾の素朴な里であることも、学生時代からそのような印象を持ったのだと思う。
関西花の寺十六番の浄瑠璃時の花の代表的なのが、馬酔木である。
なかなか、満開の時に出会えないが今年は、その最盛期の美しい時に行くことができた。

山門までの参道の右側には、小さい鈴のような花がびっしりと青い春の空に伸び、参道を通る人に、音のない音を降らせているような状態で迎えてくれる。
門と比べるとかなり木の丈が高い。



重いほどの花房を支えている木の幹は、かなり太く長い年月をかけて育ってきているのが分かる。

丁度その門と殆ど同じくらいの高さに伸びた一本の灌木がいちめんに、細かな白い花をふさふさと垂らしているのを認めると、自分のあとからくる妻のほうを向いて、得意そうにそれを指さして見せた。』
これは、私の大好きな堀辰雄の、大和路 信濃路のなかの「浄瑠璃寺の春」の一文である。
堀辰雄が多恵夫人とともにこのお寺を訪れた時には、馬酔木は門と同じ高さだったのが、今でははるかに門の高さを越していることも感慨深い。





浄瑠璃寺庭園(史跡・特別名勝)

浄瑠璃寺の庭園は、極楽浄土を表現しているそうである。
梵字の阿字をかたどったと云われる宝池が境内の中心にあり、西側の本堂には、九体阿弥陀仏が安置されている。
池を隔てた東に三重塔が建立され、そこには薬師如来像を祀るという、建立当初のままの形を残しているとのことである。
この浄土庭園に佇んで本堂側から観ても、塔のあるほうから眺めても、周囲の自然環境と共に四季折々の美しさに、訪れる毎に、安らぎと新たな感動を与えてくれる。


現在、浄瑠璃寺では、庭園整備(護岸工事、発掘調査、樹木伐採など)が行われている。

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明日香 甘樫丘公園

2012年03月30日 | ☆ ふるさと・大和

ミツマタの花は今満開だ。この辺りには花木がないので、ミツマタの黄色が雪洞のように目だって綺麗だ。




ミツマタの花の存在感が甘樫丘の麓から春を発信しているようである。



春うららのようなお天気につられて、明日香までドライブで、別に何処に行こうという目的もなかったが、走っているうちに甘樫丘に差し掛かった時、ぱっと目に入ったのが、菜の花畑だった。
行き過ぎてから、折り返してきて駐車場に車を入れた。
黄色と緑のコントラストが綺麗である。緑はこれから咲く菜の花の葉っぱのようだ。
咲く時期をずらせて丘の麓を飾るかのようである。
道路を隔てて梅の花が咲き、鄙びた趣のある明日香の風景を菜の花越しに楽しむ。

   

駐車場付近から見る何気ない風景も、春の日には、「いいなぁ!」と穏やかな気持ちになる。
白いタンポポや、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウなど、春の花が敷き詰めて咲いている。


この標識を見ているうちに甘樫丘に登ってみようと言う気になった。
以前何度も登ったのだが、展望台からの眼下に広がる景色が、今の私を惹きつけた。
車に戻り、登山用のストックを持ってきた。


   

上りも下りも、このような階段が多いので、ストックを持ってきてよかった。
今まではここに登る時ストックなんて全く必要なかったのにと~~~。

畝傍山

香具山

耳成山
大和三山を眼下に見る地点としては、この展望台は最適である。
登ってよかった。
下りの方が転ばないように「ヨイショ・ヨイショ」と声に出してゆっくり降りた。


降り路が沢山あり、かなり端の方に降りてしまって、駐車場まで、飛鳥川に沿ってもどった。

春の小川は さらさらゆくよ    口ずさみながら~~~。








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鹿華苑・山野草 花木

2012年03月29日 | ☆ ふるさと・大和

 

「いらっしゃい」メッセージのフクロウと、園内の木に登っているリスも、目がとても優しくて可愛い。
ご挨拶してお会いした奥田さんご夫妻の優しい心が園内、隅々にも行き届いていて心が和む。



「向こうの東屋でお茶を用意していますからどうぞ。」
奥様がそう仰って、畑仕事に忙しそうに出て行かれた。
沢山の花たちを見てから、東屋のお茶を頂いた。

     

テーブルの上に、「あんじゅさんの手作りお菓子」と書いた小袋が載っていた。
売上金は東日本大震災の支援金として寄付されることが書き添えられていた。
3袋頂くことにして、早速お茶と一緒にお八つにして味わった。
雪深い冬の間に、お寺のあんじゅさんが、この地の山菜の砂糖漬けを作って、ここに来た人がささやかな協力ができるように、東屋においていらっしゃるのだと、後で奥様が話された。
ごぼうや、蕗のほろ苦く甘い砂糖漬けは、珍しく忘れられない味だった。






早春の山野草のオンパレード。

     

加賀侘助、ヒュウガミズキ、花梅、シナマンなどの花が、青空に美しく誇らしげに花を一杯咲かせている。



日陰になっているところにまだ、前日に降った雪が残っている。
「やっぱりここは、平地よりかなり寒いね、だから高山に咲く花を見ることができて、よかったね。」
友達と思いがけない花の写真収穫に嬉しくなった。


鹿路(ろくろ)という里の境に張り渡したのは、明日香の稲淵の里と、かやの森に張り渡してある、結界の神事の綱と同じではないかと思いながら、カメラに収めた。
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水芭蕉 あなたも春の使者

2012年03月28日 | ☆ ふるさと・大和


最初に水芭蕉とであったのは尾瀬だった。最近では信越高原の乙見湖畔、いもり池、野尻湖畔、昨年は黒姫高原、戸隠森林公園と冬は雪深い山や高原で、春を待つかのように一斉に湿地に咲いていた。

その水芭蕉が、ここ大和で咲いているのを見ることができたのは、大感激だった。
奈良県桜井市鹿路の里山一帯が、「鹿華苑」と名づけられた奥田忠良さんの山野草園である。


心地よい梅の香りと、遠く近くで鳴く鶯の声に誘われるように山を登ると、「ミズバショウ」の道標が足元に見えた。






ミズバショウは春の高山植物の代表のような花である。
江間彰子さんの「夏の思いで」の歌の中に出てくる尾瀬のミズバショウは、「夏の花」のイメージがあるけれど、標高の高い尾瀬では、雪解けの湿地に春を待ちかねたように咲くのが6月ごろなので、平地の春に匹敵する気候である。

北国の湿地でしか見たことのなかったミズバショウを、この地で見る機会を与えてくださった、「鹿花苑」のオーナーの奥田さんのこれまでの山野草造りの、長年のご苦労のお陰だと、深い感謝の気持ちで、ミズバショウと出会えた喜びに浸った。

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東大寺修ニ会のお松明 花鹿

2012年03月27日 | ☆ ふるさと・大和
 

「二月堂のお水取りが済めば、奈良にも春がやってくる」
異常気象のなかった昔の人は、きっとこのように言いながら春の訪れを待ったのだろう。
しかし昨今は、このお水取りが終わっても、真冬のような寒さの日が周期的に訪れる。
これも季節の巡りだと、天気予報のおねーさんは解説している。

何はともあれ底冷えのする日、東大寺二月堂修二会の名残を見ながら奈良市鴻池の「花鹿」で昼食をした。


  

 

  

 

レストランの中、外にお松明の燃え残りが、手の込んだインテリアよりも、最も奈良らしい、奈良ならではの
その位置にうまく収まっている。
年に何回か食事に来ているが、この日のお松明の数が一番多かったように思う。
東大寺二月堂の修ニ会が、今月だったからお松明をお店において間もないからだろう。
「これ二月堂のお水取りのお松明ですか?」一度お店の人に訊ねた事があったが、「そうですよ。」と答えられた。「どうして手にはいるのですか?」とそこまでは聴くことができないまま、ここに来てお食事をする時、お松明のある風景がすっかりお気に入りになってしまっている。

今回はお食事をUPしないで、お松明ばかりを写して来た。

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