自然と溶け合う森は四季を通じて楽しめるところであろうが、今回は、「スノーパーク・想い出の森」となった。
スノーシューなるものは、見るのも初めてである。
スキーを履いて、ゲレンデで滑ることだけが雪山の楽しみであった私には、自由自在に雪山を歩くことなど思いもよらなかった。と言うより、不可能なことであった。
その不可能を可能にしてくれたのが、スノーシューという優れものである。
裏には、厳めしい金属の爪がありがっちりと雪を掴むので、勝手に滑らない。
装着を、こむぎさんに手伝ってもらう。ただしっかりとブーツに締め付けるだけなのに、最初はこつが分からなくて緩かったりした。
と、かっこいいことを書いているが、こむぎさんの踏みしめた足跡を辿って歩いていく私である。
スノーシューは、確かに雪上散歩の大いなる助っ人である。
スキーの経験がなくてもこれを履くと雪山を歩き回ることが出来るだろう。
お散歩の道具としては、素晴らしいものを教えてもらった。
ここでまたまた、こむぎさんはリュックの中から手品師のように取り出した湯沸しセットで、お湯を沸かし、
甘酒のお接待。
運動で体が甘さを求めている。なんと喉越しの美味しいこと。元々、甘酒は好物である。それが、雪に囲まれた中で味わうとなると美味さ倍増である。
ゆっくり休憩した後、林道を戻る。ここでは、上で滑っていた人達の帰りと出会う。
前を行くこむぎさんのリュックに付けたごみ入れのビニルの袋が揺れる。
何から何まで、お世話になりっぱなしの雪山散歩、スノーシュー初体験であった。
山を後にする私たちを、まるで見送ってくれるような、雪ダルマの小人たちに別れを告げる。
古希を迎えて、まだ、雪と遊ぶ楽しさのあることを教えてもらったこの日のお誘い。
「想い出の森」として心に刻み込まれている。