今日で11月も終わりだ。
秋の終わりから冬にかけての、奈良散歩にはいつも是非行きたいところがある。
年によっては11月であったり、12月に入ってからだりするけれど、季節の本当の変わり目のような時の奈良を落ち葉を踏みしめて歩きたい場所がいくつかある。
春日大社の駐車場に車を入れて、いきなり境内を歩き始めた。
築地塀の中の楓の紅葉が、まだ紅葉しない緑の葉っぱと混じりあって美しい。
位置を変えてみると、閉ざされた檜皮葺きの門を、より一層趣のあるものとしている。
右側には、春日大社の西回廊の外側が、木の間に見え隠れしている。
しばらく歩くと回廊もみえなくなり、寄進された石燈籠の列が、道路の一段上の石垣に並ぶ。
鹿たちの憩いの場所でのんびりたむろしている。
それでも、人が通りかかると律儀にお辞儀をして煎餅をおねだりする子もいる。
何も持ってなくてごめんね、写真だけ撮って通り過ぎる。
左手前方に大きい公孫樹の樹が、森を明るくするような黄葉を見せている。
今年の黄葉は遅いと聞いていたが、今がこの公孫樹の見ごろだ。
鹿はもうお辞儀をしない。何を見つけたのか見つめる瞳が可愛い。
春日大社について今日一番歩きたかったのは、この落ち葉敷く水谷(みずや)道だったのだ。
所々に石段があってストックをつきながらの森の散歩は、全く苦にならなかった。
かさかさと靴の裏で音のする落ち葉道は、故障のある膝には優しかった。
水谷神社の瑞垣からせり出したイブキの巨樹である。
下にその説明があるのでUPした。
暫くこの巨樹に掌を当て、木の生命力の鼓動を聴く。
昨年より体調が良いとは言えないけれど、と思いながら迷っていたが、やはり来て良かった。
春日大社散策は、あと少し続くことになりそう。