

この橋の向こうはもう桜井市の談山神社である。
車では早いようだが、明日香の東の奥といった方角である。

「上」と書いて「かむら」と読むところを見ると、明日香の村里の東の一番上に位置するという場所として古代からの地名かしらと、こんな想像をしながら橋の傍に駐車をして、畑にいたおじさんの方へ行った。

綺麗に積んだ石垣が、急な坂の左側にある。
「この石垣の上は、田んぼなのですか。積むのが大変だったでしょう。」
「急な坂なんで、石を積まんと崩れて水が持たんのや。」





石垣積みの田んぼはここでおわっている。
ここまでの坂道はかなりきつい。
そういうところを、山を開いて土地を造り石垣を積み水漏れをなくして立派な棚田に作り上げてきた祖先代々のこの家の人の足跡の石積みであり、今も大切に米作りをしていることに頭が下がる。
山からの綺麗な水で作られたお米はきっと美味しいだろう。