紅花
紅花がもう咲いているだろうと、橿原へ買い物に行った帰りに、明日香へ回ってきました。
紅花は咲いているというより、少し遅かったかしらといった感じでした。
石舞台の見える丘の上の花畑に、季節の花が植えられますが、紅花は1番明日香の地に似合うかもしれません。
「紅(くれなゐ)の 八塩(やしほ)の衣 朝な 朝な馴れはすれども いやめづらしも」 万葉集
このように万葉集にも詠まれています。
紅花で染めた着物を纏った女性は妻でしょうか恋人でしょうか、古代への思いを馳せる花です。
・6世紀に高句麗(こうくり)の僧侶が日本に紹介し、推古天皇の時代から、紅色の染料をとるための植物として利用しました。
6世紀の藤ノ木古墳から,ベニバナの花粉が検出されているそうです。
花から得られる紅は、女性の口紅にされ、平安王朝人の紅や桜色の衣装を染め、
また、古代エジプトのミイラの布の防腐にも使われているそうです。
そのような古の人が暮らしの中で用いた花が、明日香の石舞台の見える丘の植えてあるのも、古代を偲ぶ花としてのロマンを感じます。
もう萩の花も咲き始めています。
野の花も優しくて梅雨の晴れ間のひと時、目を楽しませてくれます。
丘から下の道路に出る時、ふと目を惹いたのは、これも野の花、ウツボグサです。
戻りの土手の草の中の、紫の花は目立ちます。
見上げると、土手の上にも沢山咲いています。
駐車場の横の売店に、七夕飾りがありました。
旅の思い出を綴ったのでしょうね。
訪れた人の幸せを祈りたくなります。
束の間の梅雨の晴れ間は、午前中だけでしたが、それでも橿原で買い物をして、明日香で紅花と会って、降らないうちに家に帰りつくことができました。
いろんな願いがみんな叶うといいですね。