庭の木の枝が揺れる時、そこにいるらしいが、あまり気をつけて見ていないので、部屋の中でその鳴き声を聴いているだけだった。
ひばりが空高くで囀る頃になると、庭の木でもこの鳥の鳴き声が聴こえるようになる。
急いでカメラを持ってきたが、私の動きをあまり気にすることなく誰がに呼びかけるように鳴いている。
するとすぐこの鳥が答えるように鳴く。
鳥の会話が分かったら面白かろうにと、カメラを構え続けた。
羽を広げた瞬間にシャッターを押したが、そんなのは間に合わない。
どこへ行ったのかと近くを見ると、今度は塀の屋根に止まって外のほうの鳥の声が聴こえるほうを見ている。
この小鳥の安全安心の場所でないらしく、暫くキョロキョロしていたが、飛び立ってしまった。
そこでまた高らかに鳴き出した。
鳴き声を擬音で表現しようとしても文字にならない。
このような鳥たちが私のうちへ持ってきてくれるお土産が、今年もいい香の花を咲かせている。
トベラの花である。