

昨日の京阪京橋駅の長い階段には、ペイントはなかった。
トントントンと階段を上りきって、今上った階段を見下ろした。
いつもの事だが、横のエスカレータを利用する人は多いが、ここを上り下りする人は少ない。
女性一人が、真ん中を下りていく。
私は上るときは真ん中だけど、下りる時は手摺に近いところを下りる。
端のほうが安心して下りられると思うのは、加齢のせいだと、いつの頃からかそうするようになった。

ふと横の柱を見ると、綺麗な着物姿のおねえさんが、にこやかに笑っている。
ポスターが、夏の京都への誘いである。
沢山の清水焼の風鈴が、いかにも涼しげである。
上る途中の柱にもあったのだが、気づかないで、「今日は何にもないや」とトントントンだった。

入ってきた電車が萱野行きの区間急行だったのですぐ乗って、次の停車駅の守口市で下りた。
いつもの習性で、守口市で各停に乗り換えるというのが、何の考えもなしの行動だった。
しかし実は、乗り換えなくとも、守口市から各停になっている電車なのだった。
「しまった」と思ったがもう発車していた。
ところが、これが幸いとなったのは、次に各駅停車の電車が入ってきた時だった。
車体全体に楽しい絵のある電車だった。
ホームの暑さにうんざりしていたが、車内は空いている上に実に涼しい。
乗っているのは子供が多い。
夏休みだから子供たちが多いのだろうなぁとその時は思っていた。
座席の端の所にもこんな絵がある。

上の座席横の絵と、トーマスには、見覚えと、懐かしさがあった。
大阪の三人の孫が幼児期の頃、三人とも無口になって一生懸命見入っていたビデオが「機関車トーマス」だったのを思い出したのだ。
短いお話で、何巻かがテレビの横に並んでいた。
同じのを何度も繰り返してみていた、三人の膝小僧が可愛い時期だった。

降車駅で下りるとすぐ発車した電車の前後を、写真に撮ることが出来た。
かえって写真をUPする時調べてみると、
『京阪線と大津線で、「きかんしゃトーマスとなかまたち」ラッピング電車を運転中!
「きかんしゃトーマスとなかまたち」のキャラクターを描いたラッピング電車2編成を運転しています』
こんな記事が京阪電車のサイトで見つけた。
やっぱり、孫たちが夢中で見ていたあの「機関車トーマス』とそのお話の中に出ている『なかまたち』の絵を描いた電車だったのだ。
京橋駅の階段のペイントはなかったが、ラッピング電車に乗った昨日の「おけいはん」だった。

