|
「○字池」と書いてある。
○の所は梵字なので読めなかったが、境内図には、カタカナで「ベン」と書いてある。)
6月4日に、この池の木の枝に、私にとっては大発見があった。
杉の枝先、楓の葉、石楠花の葉っぱの先に、白い泡泡が沢山ついている。
その泡泡が、下の、池に向かって垂れ下がっている。
いつかテレビで見たモリアオガエルの卵である。
テレビで見たときは泡の先から卵から孵ったオタマジャクシがぽとりと水面に落ち泳ぎだす様子を映していた。
もしやそのような様子が見られたらと思いながら、ずいぶんそこを動かないで見詰めていた。
杉の枝先の泡が一番期待をもてたのだが、結局見ることはできなかった。
石楠花の葉に産み付けられた泡は、水面に一番近く、池にそのまま映っていたので、「ここで産卵したカエルは賢い子やなぁ」と独り言を言った。
念のため帰る時に、御朱印をしているお寺の方に尋ねると、「モリアオガエル」と言いながら和紙に達筆で書いてくださった。
梅雨の時期にしか見られないので、良かったですよ、と付け加えられた。
「モリアオガエルは樹の上で生活をする珍しいカエルで、周辺の森林が豊かであることが生息できる条件といえるでしょう」
帰ってから調べると上のような記述があった。
確かに室生寺は、豊かな自然の中にあるお寺である。
コウホネについて調べていると正岡子規が「河骨」を詠んだ短歌があったので、ここに掲載して、私の呟き短歌はお休みにしたい。
『小ぶなとる わらはべ去りて 門川の 河骨の花に 目高群れつつ』 正岡子規