迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

耳で人間を見る。

2019-01-02 21:12:48 | 浮世見聞記
今年の三ケ日でいちばん楽しみにしてゐた、ラジオ放送の狂言を聴く。 出演は大藏流の山本東次郎家で、いかにも武家の流れらしい四角四面(しかめづら)なせりふから、人間の性を聴きとる。 「二千石(じせんせき)」は、主人と家来の関係とは主従を超へたもっと深い人間の“縁(えにし)”であることを、めでたさに装飾したお話しであり、 また人間が恐れるのは相手そのものではなく、相手が手にしてゐる“権力”に対し . . . 本文を読む
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