昼下がり、戦国時代には兵士が洗ひ流した血で赤く染まったと伝はる、小川のほとりを散歩する。
現在(いま)は静かな小径が整備されたその小川で、一羽の白ひ水鳥に逢ふ。
水鳥は私が近付ひても驚くことなく──むしろ知らん顔のやうにも見へた……──、悠然と小川を歩き、時折ほとりの草を突つく。
共存共生。
ことごとく木々を伐りはらひ、
ことごとく陳腐なつくりの家屋を建ててゐる様を見て、
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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