私は決して、好き好んでその町へ出かけたわけではなかった。
そこはすでに、
川の向かふの、
よその「國」だったからだ。
しかし私は、その人に会ふことだけを今日の利点と考へ、
オトナと云ふお面をつけて、
川を越へた。
猿楽師はかつて、
旅藝人であった。
彼らは、
あらゆる國の堺を越へて、
猿楽を演じつづけた。
無駄なものはすべて削ぎ落とす知恵は、
その日々から生み出 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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