未明に急な体調不良との報を受け、夜が明けてから驛より一時間に一本だけ出る、昔ながらの細い道を通って行く路線バスに乗る。普段はほぼ乗らず、“有要有急”の時によくお世話になる路線。いつまでも、なくてはならぬ路線。いつまでも。幸ひ原因もはっきりし、對処法もはっきりとわかり、恐れるものはなかりけり、とまずは一同ホッとしつつ、これが時間(とき)なのか、とも思ふ。空は朝から厚く重く、やうやく冬らしくなった冷氣 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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