十年以上ぶりに、トウキョウの外れの、また外れまで行く。山間の古道をさらに奥へと入り、今年はあったかどうかも分からない“秋”が、この里には訪れるらしいことを知る。渓流に落ちる瀧水は耳に涼しく、秋の果實は私の心を鮮やかに潤す。戻りの道は途中まで、登山帰りの人々と一緒になる。私は、私らしい小旅を樂しんだのである。 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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