迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

自力開眼。

2025-01-20 23:38:00 | 浮世見聞記
大寒とは暦上の名ばかりに暖かな日中、窓から差す陽の心地よさに、ふと長らく手付かずになってゐた、手猿樂の面の手直しをしやうと思ひ立つ。昨年にこの一期一會を逃すまじと手に入れた面だが、少し使ひ勝手が惡いので手直しが必要だと思ってはゐたものの、しくじればオシャカになるのが怖くて彫刻刀を持つ氣になれずにゐたが、今日になってにはかにその氣になる。布物の縫ひ足しや縫ひ直しはちょくちょくやるが、木工物に刃をあて . . . 本文を読む
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