今年最初の謠ひのラジオ放送で、觀世流梅若家の「繪馬」を聴く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/82/41647368f351b51f6d961dff1490a8d3.jpg?1736577421)
伊勢神宮を舞薹に、前場(前半)では一年の晴雨を占ふ繪馬掛神事の様子が能樂得意の古歌に絡めて演じられ、後場(後半)は伊勢神宮の祭神である天照大神の神話──“天の岩戸傳説”がそのまま再現される。
一つの場所で二つの噺が演じられる、視覺的な變化にも富んだ曲で、特に後場については、天の岩戸に閉じ籠もった後シテ(主役)の天照大神を外へ引っ張り出さうと、神々が集まり賑やかに神樂を催す件りは囃子方がある意味でシテ(主役)とも云へる曲であり、つひに天照大神が岩戸を少し開いて様子を覗き光が放たれた瞬間が、「面白い」の語源であると解き明かされるなど、
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もっといろいろな機會で廣く舞はれるべき曲であると、私はつねづね思ふ。
ちなみに、今上天皇は即位の日以来、お出ましになるとその場所が晴天に恵まれることが多いと聞く。
面白い實話だと思ふ。