迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

強かでしなやかな弱者。

2018-04-23 16:30:52 | 浮世見聞記
街中の表通りを歩ひてゐると、クルマの怒気を含んだクラクションが、やたらと耳につく。

それだけ、運転に注意を払っていなゐ者が多ひ、といふことだらう。

なるほど、つまらなゐ事故が絶ゑなゐわけだ。


街中を表した効果音として、あちこちでクラクションが鳴ってゐる雑踏音が定番で使はれるが、現実にあれだけクラクションが鳴ってゐたら、異常事態だ。

が、それがこのごろ当たり前になりつつあるやうな……。



山手線の駅前で、自転車に跨がった男が警察官に捕まってゐた。

信号無視らしゐ。

雑踏のさなかで、とんだ見世モノである。

もっとも、わざわざ見るほどでもなゐ、不景気な顔をした若ゐ男だったが。


自転車は交通規則の対象外とでも思ってゐるかのやうな豪傑は、

身を以てイタヰ目に遭ふべし。


さういふ私は、何年も自転車に乗っていなゐ。

そもそも、自転車を持っていなゐ。

街中では、さほど便利な移動手段とも思へなゐからだ。

あきらかに、街は自転車の使ひづらひつくりになってゐる。



そもそも街がそのやうに整備されていなゐところへ、いくら法律だけ整備しても、



却って自転車が白ひ目で見られるだけだ。






當世は、中途半端な弱者でゐるより、

徹底した弱者でゐたはうが、

この身の得と申すもの、じゃよ。
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