迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

いまは虚しき夢枕。

2018-04-24 22:22:51 | 浮世見聞記
東横線の代官山駅からほど近い高架線跡で、かつての枕木とおぼしき木材を見かける。

これがかつてこの上を通ってゐた時代の物かは定かでないが、もしさうだとしたら、東横線がまだ“東急”だった時代の名残り、とでも云ふべきか。


さう、“東急”東横線は、田舎鉄道との直通運転を開始したとき、消滅したのである。


西武鉄道の車両が侵入すれば“西武”東横線、

東武鉄道の車両が迷ひ込んで来れば“東武”東横線、

東京メトロの車両の場合は“地下鉄線の地上走行区間”、7000系と云ふ蔽ふべくもないポンコツに遭った日には、京浜急行で1500系が入って来た時なみにガッカリする。

それだから、たまに東急5000系が現れると、「あら、まだゐたの?」なものである。



とにかく、田舎鉄道とムダに線路をつなげて運行本数を増やしたために、遅延も増へたことは厳然たる事実だ。

にもかかわらず、いつの間にか「速達性の高い優等列車」とやらに“Fライナー”なる別称を付けだしたが、平日の昼間でも先行の各停にしょっちゅう行く手を阻まれて徐行したりエンストしたりの体たらくで、ナニが「速達性が高い」だと、笑ってしまふ。




そして、現在では跡形もないかつての東横線渋谷駅の櫛形ホームに、9000系が待ってゐた時代の記憶を“宝物”に、私は電動箱のなかで、目を瞑る。
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