令和五年(2023年)正月朔日を、日本晴れにて迎へる。
朝はまずラジオ放送で、正月だけやたら有り難がられる日本の傳統藝能より、長唄(大薩摩)「矢の根」を聴く。
歌舞伎十八番の内「矢の根」の伴奏音楽である“大薩摩”地を編曲したもので、
生来の惡聲にさらに磨きをかけた人間國寶が、放送事故スレスレな銅鑼聲でとんだ惡靈退散を聞かせる。
夕方頃より、隣町の古刹まで新年の挨拶に行く。
閉門時間に近かったからか、参拝者もまばらで人ゴミ嫌ひの私には幸ひ。
お御籤は敢へて引かずに出る。
嬉しがらされても、嬉しくない。
令和五年も、なるやうになるだらう。
ただし、よく前だけは見て、聞いて。