今秋も開催された神奈川縣主催のオンライン文化祭「バーチャル開放区」が、今回は應募締め切りを今月三十日まで延長するとのお知らせを頂いたので、ならばまう一作と「那須与一」を應募し、公開さるる。
平家方の掲げた皆紅の扇を、源氏方の那須與一宗高が見事に射落とし、その手柄を源平双方で褒め稱へる、敵味方の心が一つになった瞬間の挿話(はなし)を今年のテーマ『ともに生きる』に掛けたもので、原典の「平家物語」にはさうした人間くさい場面がいくつも描かれた、興味深い軍噺(ぐんき)でもある。
「那須与一」を舞ふ日はたった一回を除いて、いつも雨か、さうなりさうな天氣ばかり、今回動画を撮影した日も案の定の本降りで、しかし同じ地球にゐる以上、そんな天氣とも上手に折り合ひをつけて、「ともに生き」ていかねばなりますまい。
