迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

かぜのささやき。

2014-04-04 20:22:04 | 浮世見聞記
ふらりと道に出てみると、

あなたがそこに佇んで、

わたしに微笑みかけている、

…ように見えた。



あなたはふわりと袂をひるがえし、

“おいでおいで”と歩き出す。


いまこそ想いを伝えやうと、

わたしはふらりふらりと、

ついて行く。



ふらり。

ふらり。


ゆらり。

ゆらり。





ふら。

ふら。


ゆら。

ゆら。



やがて一陣の風が吹き、

あなたは散り消えた。


わたしはあなたのもとへ行けない。


しかし必ず、どこかでまた逢えるでせう。



あなたは永遠に生きている。






しかしわたしは、

明日もいるかしら?
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