JR横浜線の町田駅が、かつて「原町田」駅と云ってゐた時代の駅名表示板が残されてゐる場所を、町田へ来たつひでに訪ねる。
誰だか知らない所有者の感性を見る。
駅が現在地に移動したのち、駅舎跡地にあたる写真の右手には、ビル一棟まるごとの東急ハンズが出現した。
今回の目的をひとつ達する。
東京都町田市森野町のビルの脇、駐車場のフェンスに横倒しにされた姿に、
誰だか知らない所有者の感性を見る。
過去に訪ねた“お仲間”の投稿写真を見ると、かつてはビルの壁面に括り付けられてゐたやうだ。
原町田駅は昭和55年に現在の小田急線寄りに移転し、「町田」と改称されるまで、下の写真の左手、線路沿ひの草むらとなってゐるあたりにあった。
駅が現在地に移動したのち、駅舎跡地にあたる写真の右手には、ビル一棟まるごとの東急ハンズが出現した。
まだ子どもだった当時、そこの鉄道模型売場に行くことが楽しみだったが、その東急ハンズもいつしか撤退してただのテナントビルになり、往年の賑やかな面影はない。
かくして街並みの変遷には、どこか情け容赦ない残酷さを感じるときがある。
しかし鉄道模型への想ひは、走らせて愉しむことから、飾って眺める趣味に形を変へて、○十年を経た現在も、続ひてゐる。
実物には経年で廃車となり逢へなくなっても、その模型を手許に置ひておくことで、残念さをかなり和らげる“癒し”の効果を発見したのも、私が年齢(とし)ばかりを喰った証拠なるらん。
さて、横倒しの旧駅名表示板、せめて写真上だけでも正に戻してあげて、
今回の目的をひとつ達する。
──アナログのくせにいろいろと検索して、いろいろと実行に移して、
そんな自分がなんだか可笑しくなってくる。