「今は昔」進行中。

銀座線渋谷駅の線路架け替え工事も着々と進行中のやうで、それまで明治通り上の橋桁を支へてゐた橋脚も、新しい橋桁からは上部を切り離され、



お役御免の姿となってゐる。

それまで東急百貨店内にあった銀座線渋谷駅は、しばらくすればこの橋桁の上、つまり明治通り上に移設されるわけだ。


井の頭線以外の各路線が東急百貨店に集まってゐた時代は、湘南新宿ラインと埼京線はともかく乗り換えが実に便利だったが、東横線を地下五階などといふ、ほとんど“地底”のやうな場所に移設してからは、ムダに移動時間のかかるすっかり不便な駅に逆行してしまった。



東横線の地底駅は、改悪から数年がたった現在でも、私は全く馴染めないでゐる。


“渋谷大改造”といったところで、結局はタダのガラス張りの超高層ビルを建てるだけの話し。



それへ向かって、総てが同じ姿形(なり)をした月給鳥たちがゾロゾロと流れ、その傍らには小洒落てゐるやうで、実のところはありふれた“ショップ”が、ゾロゾロと連なってゐる ──



夢を見出せない街は、用事があるその時だけの付き合ひで、充分だ。