今年一月に脳梗塞で入院し、五月に退院してリハビリ中の三遊亭円楽が、今日の國立演藝場公演で高座に復帰云々。
生で見るより映像で見たはうが若々しく見える円楽師だが、さすがに實年齢相應な姿になったな、とは思へど、肌の血色も良いし眼力(め)もはっきりしてゐて、かなり不屈な精神力だと感心す。
“五代目圓樂一門”では數少ない聴いてゐられる噺家なだけに、これからは無理のない範囲で活躍していただきたいもの。
浮世では、今年こそお盆に帰省すると云ふ人々で、交通路の渋滞がはじまってゐる云々。
人災疫病によるこの國難は、すでに自力本願で乗り越えていくしかないことは明白であり、官が行動制限を設けない以上、各々が自分のアタマでおのれの手綱を捌かなくてはならぬ。
忘企業で、部下が午前中に“濃厚接触者”と判明したにも拘ず、上司(うへ)は「聞かなかったことに」してその日一日の業務を續行させやうとした事例を仄聞す。
官がどんな對策を立てやうが、民がこの体では、まったく意味がない。
よって、いまや民には何もしないでやるのが賢明なのである。
今日の暑さは風によっていくらか和らぐ。
池のほとりから風を仰ぎ見て、まずは自身のすべてが、今日を無事に過ごせることを願ふ。