神奈川縣立金澤文庫の特別展「金沢文庫の肖像」を觀る。
目當ては、金澤(かねさわ)北條氏四代の肖像画「國寶 四将像」の、期間限定全幅公開。
(※上から、初代實時、二代顕時、三代貞顕、四代貞将 案内チラシより)
三代目の貞顕には前にも當地の企画展で會ったことがあり、大河ドラマ「太平記」では故人児玉清さんが執權もつとめたこの人物を好演してゐたことを偲んで以来の再會。
同じ大河ドラマ「北条時宗」では、金澤家初代となる實時を池端慎之介さんがきっちりとした“男役”の演技で魅せたことを、法体の北條實時像から今回は思ひ出す。
金澤文庫を訪ねたら、やはり稱名寺も訪れて本當と云ふもの。
かつて境内周辺の宅地化計画と云ったとんでもない危機を逃れ、鶯の聲にゆったりと浸れる古へからの空間を残せたことは、我が町内がつひに鶯に愛想を尽かされたことを考へると、本心から金澤北條氏四代に手を合はせたくなる。
この佛庭を守ってゐる男性が、近頃に家族を亡くされて當寺にお世話になったと思しき二人連れの女性へ、優しい言葉をかけてゐた。
旅立ちは怖れることではないのだと、たまたま傍にゐた私までが元氣づけられた。