昨年に續いて、サントリーBOSSとザ・ドリフターズとのコラボ缶の第二弾が今月朔日に發賣され、やっと自販機で見つけたので買ってみる。
往年のコントを取り入れたCM動画も、メンバーの似顔繪をデザインしたロゴマークも、ドリフ世代には樂しく、嬉しい。
そして、志村けんさんが亡くなって、来月末でもう二年となることを想ふ。
今から思へば、あの訃報に接したときが、最も人災疫病に對して緊張を覺えた時だったと感じる。
あれから二年が経たうとする今、雨後の竹の子の如く連日ゲーノージンの感染が公表され、この疫病もずいぶん大安賣りになったものだと、緊張感よりただ呆れる。
或る人が、「志村けんさんが亡くなって悲しいのも、みんなただその時だけの感情でしかない」と鋭い指摘をした。
私はどうだらう……?
人災疫病禍元年に過ごした日々のことを、いまもちゃんと意識してゐるのだらうか……?
その日々の経験を踏まへた上での、“有要不急”だらうか……?
この頃は、店舗の出入口に用意された消毒液の前を、素通りして入店するヒトをよく見かけるやうになった。
かつては、盗んでまでも重寶してゐた物を。
簡單なことも出来なくて、後で一生モノの高い代償を拂ふ──
それが人災疫病感染の基本的な仕組みであると、私は思ふ。
“BOSS ALL STAR”の甘くない味は、疫病禍を甘くみるなとの謎と心得て、私は一気に飲み干す。