為政者たちに文句を言ふ權利を行使するため、選挙權を行使する。
昨日は都内忘所において、忘野党の若い候補者が街頭演説で、七月八日の安倍元首相銃撃事件について遺憾の意を強く表明してゐたのが印象的だった。
それだけ與野党の垣根を越えた大事件であったわけで、さういふ意味においても今回の参院選は、いつもとまた違った思ひを以て票を投じる。
安倍元首相が銃撃された當日、政界人たちは「民主主義と言論が暴力によって根幹を揺るがされ、そして封殺されることは決して許されない」と強く表明してゐたが、殺人犯である海上自衞官“經験者”で元ハケン社員の男を取り調べていくうち、確固たる政治思想があるわけでもなく、單純に自分の世界觀のなかだけでしか生きられない典型的なダメ人間であることが見えてきた。
(※七月八日銃撃事件直前の様子。・が犯人、・が安倍元首相)
「宗教團体関係者を狙ったが難しかったので、関連のある安倍元首相を狙った」云々。
しかし、殺人犯の云ふ「宗教関係者」と安倍元首相とのつながりは確認出来ず、そのあたりが現實世界と折り合ひをつける能力の無いこのテの人種にありがちな感覺で、またこれか……、とウンザリする。
このやうな人種に命を奪はれたとは、安倍氏が気の毒でならない。
だが私は、決してハケン社員そのものが惡いとは思はない。
あくまで、その者“個人”の問題である。
件の男には、情状酌量の余地も、また必要もない。
そして、すっかり威信が地に堕ちた護衞たちの怠慢も、しっかり斷罪すべきである。
TVドラマの“SPモノ”のはうがカッコよく見えるやうでは、あまりに情けない。
投票所を出ると、これから民意を投じ行く何人かとすれ違った。
その人たちに、私はなんとなく仲間意識を覺えた。