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上目黒氷川神社で夕方から開催された「境内テラス」の神樂殿舞薹にて、現代手猿樂「河原左大臣(かはらのおとど)」を舞ふ。
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四月と十月に開催されてゐる「おかげマルシェ」の納涼版イベントで、官による人災疫病禍の規制が緩和された昨年より始まり、その時も主催者から案内は頂いてゐたが、この殺人的炎暑下では……、と見送り、今夏はひとつの經験と参加す。
しかしこの炎夏で面と装束をつけるなど到底考へられず、直面に單の着付に裃の略装でつとめる。
面をかける手間がないぶん、今回は初めて口上を述べることも考へたが、會場に集ふ蟬の様子を見て、これではとてもコトバなど通じまいと踏んで、
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舞だけをつとめるに留める。
その判斷に誤りはなかったが、蟬の合騒下で今回の作品を選んだことは、はっきり今後の勉強と胸に刻む。