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ラジオ放送の觀世流「安宅」を聴く。
いはゆる義經一行の關所破りを緊迫感たっぷりに描いた劇的な曲で、喜多流と金春流の舞臺で觀てゐるが、喜多流では“貝立貝付”と云ふ小書(特殊演出)が付き、シテの辯慶が男舞の〆にピョンと翔び上がる型があったのを記憶してゐる。
私自身も仕舞でつとめた記憶があるものの、あれはその前後にいくつも越えた關のうちの、ハテ何番目であったか、もはや數など忘れてしまってゐる。
ただ、自力で乗り越えたことだけは確かであり、その事實さへしっかり記憶してゐれば、いつかは私も平泉にたどり着けるだらう。