東京都澁谷區神宮前の太田記念美術館にて、「赤─色が語る浮世絵の歴史」展を觀る。
浮世繪を彩るいちばんの要素である「赤」は、私のいちばん好きな色でもある。
赤の入った装束を纏ふと、やはり氣持ちが明るくなる。
私がかつてJR九州の485系特急電車が好きだったのは、
車体が赤一色に塗られてゐたからだ。
さて、浮世繪に用ゐられる「赤」は鉱物を主成分とする“丹”から始まり、やがて植物を主成分とする“紅”へと変化し、
(※歌川廣重「牡丹に孔雀」 案内チラシより)
明治になると三代目歌川廣重が輸入したとも云はれる西洋顔料が使はれるやうになったことで、それまでとは趣きが一変する。
そのきつい色調はいたずらな自己主張とも映るが、私はかういふはっきりとした深紅が好きだ。
だからこそ、ポスターとチラシに用ゐられたこのお姉さんを見て、
(※月岡芳年「美立七曜星 満月」より)
今回の企画展に行ってみやうと思ったのである。