陶芸工房 朝

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ドイツレポート(2)・クレーフェルト

2007年10月04日 | ドイツレポート

 「ドイツレポートって、それ、いったい何処の話? 」 そう思われるだろうから、「クレーフェルト市」について少ししるしておこう。

紋章地図
Stadtwappen der Stadt Krefeld Lage der Stadt Krefeld in Deutschland
ノルトライン=ヴェストファーレン州における位置

 Krefeld

  ドイツ西部のブェストファーレン州に属する人口約24万人の都市。

 ここは、ライン川の左岸に位置する工業都市で、絹織物などの繊維産業で知られる。約20キロ南はメンヒェングラットバッハ、25キロ北東にデュースブルグ、20キロ南東にデュッセルドルフが位置している。

資料によると

「その昔、ネーデルランドなどで迫害を受けたプロテスタントを受け入れたことで、絹織物の技術がもたらされ、これがこの街の絹織物産業のもととなり、絹織物をヨーロッパ中に卸すことで富をたくわえた。 18世紀よりプロイセンの支配下に入り、1756年に勃発した七年戦争では、ブラウミシュヴァイク公がフランス軍をクレーフェルト近郊で撃破しており、その後ナポレオンによる支配を経て、プロイセン、北ドイツ連邦・ドイツ帝国の領土となった。」

ということは、「ヨーロッパの長い歴史を生きてきた古い街」という言葉が適切なのだろう。

Img_0098 Img_0099 

現在も、旧市街が街の中心になっていて、そこから郊外に新しい住宅地が広がっている。ちょうど、静岡市が、静岡駅・呉服町・七間町・市役所あたりを中心に発展しているのと似ている。クレーフェルトも、旧市街を中心に、駅舎があり、劇場があり、市役所があり、商店街があり、デパートがあって、にぎやかである。


ドイツレポート(1)   宿屋

2007年10月04日 | ドイツレポート

 旅の宿を「ホテル」としないで「宿屋」としたのには、少々分けがある。

 午前中に名古屋から飛行機に乗り、そのまま機内で一夜を明かし、フランス・ドゴール空港に到着したのは次の日のお昼過ぎ、そこからさらに飛行機を乗り継いでランクフルトへ。そしてさらにそこからドイツ鉄道でデュッセルフドルフにいき、さらにそこから車で30分あまり走って、ようやくクレーフェルトに着いた時には、夜もかなり更けていた。

Img_0092  「ここに予約がしてあるから」 

 私はひとり宿の前で車を降ろされた。

Img_0090  宿の入り口は閉まっている。渡されたカギで玄関を開け、中に入ったが誰も出てこない。カギを頼りに狭くて薄暗い階段を、トランクを持って3階まで上がった。部屋はかなり広いツイン部屋で、シャワーもついている。疲れていたのでその日はそのまま眠ってしまった。

Img_0089  明るい光で目を覚ますと九時近い。

 ここはいったい何処なのか、手続きはどうなっているのか、皆目分らない。

 恐る恐る昨夜の階段を下りて1階のドアを開けると、そこは昔ながらのドイツ風の装飾のダイニング。年配のおじさんがひとりカウンターに座って新聞を読んでいる。

 Img_0080_2        

 私は、たどたどしい英語で名乗り、ここに3日ほど泊めて欲しいこと、どう手続きをするのかをきいてみた。ところが、全く通じない。いろいろやってみたがどうしてもダメ。(後でドイツ語しか通じないことが分ったのだが) 

 一人旅には慣れているつもりだったし、大概のことは何とかなるとたかをくくっていたが、この時はかなりあせった。ここからどうやって次の行動を起こせばよいのか分からない。

 それでも、朝食はいわゆるコンチネンタルのセルフサービスだから困らない。

 お客は私ひとりきり。

 ゆっくりとコーヒーを飲んでいると、今度は年配のおばさんがやってきて何だかしゃべっている。何のことかさっぱり分らない。ハムやソーセージについて言っているようなので、黙っておばさんについていった。何のことはない、冷蔵庫にしまってもいいか、ということだった。ここの朝食は9時半まで、それを過ぎていたから片付けるということだったのだ。

 ここは、日本風に言えばいわゆる田舎の「宿屋」。年配の夫婦がのんびりと経営し、ベットとブレックファウストを提供する。お客は、家と部屋の鍵を渡され、いつでも自由にこに出入りすることができるが、家のドアはいつでも閉まっていて、夫婦も朝しか顔を出さない。いたって簡便な仕組みの「宿屋」である。

  ちなみに一泊の値段は60ユーロで、ホテルの半分だ。

  私はここに3日間滞在し、何とかおじさんとコミュニケーションがとれるようになったが、3日間持ち歩いたあのどっしりと重たい、クラフト作品みたいな鐘の形をした立派な玄関鍵の写真を撮るのを忘れたのが、いかにも残念だ。

(写真は、クリックすると拡大します)