陶芸工房 朝

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秋の実・サネカズラ( またの名を ビナンカズラ)

2016年11月05日 | 野草

花の数が減って、その分、赤や黄色や青や黒色の「実」が目立つ季節になりました。

 

 庭掃除をしていたら、赤い実と目があいました。サネカズラ(ビナンカズラ)の赤い実です。採って花器に活けようとしましたが、つるばかり長くて、花器にはさせないので、掛け花に活けました。

 

 

赤い実のさきに、長い長いつるが伸びています。

 

さねかずら  後も逢わむと夢のみに 誓ひわたりて 年は経につつ(万葉集 巻11)

山高み 谷へに延へる たまかずら 絶ゆるときなく 見むよしもがな  (万葉集 巻11)

 

 

ここにみられる かずら はつる草の総省で、さねかずらびなんかずらともいわれます。

 

  これらの歌は、このかずらのつるが伸びていって後に出会うさま、つるの絶えることなく伸びていくさまを「思い」に託したものです。出会いは当然  恋のそれですから「さね」に「さ寝」のひびきを感じ取ったことも必然でしょう。(中西 進・万葉の花)

 

 

     

  赤い実にばかり気をとられて、「つる」の行方など気にも止めなかった私の感性とはちがって、花のさきに伸びていく「つる」を目ざとく見つけて、恋人との対面をイメージとしてとらえて言葉にかえた古代人のものの見方、感性の豊かさに、感じ入るばかりです。

 

クリスマス   オーナメントに   サネカズラ