眠りの天使？

「……ふゥ～、ふァ～あァ……」

　おやっ？　どうしたの、テディちゃ？
　新作お菓子があるのに、冴えない顔色、いえ、クマ色ですね？

「ネーさ、テディちゃはァ、しょくよくゥ、ないィのでス……」

　ええええっ？！　どうしたの何があったの天変地異の前兆なのっ？！？
　食欲が無いっ？？　テディちゃの口からそんな言葉が出るなんてー！

「だッてェ～、さッきィ、おいものてんぷらァ、たべてェ～。
　それからァ、おとなりからァ、いなりずしィ、いただいたァのでスゥ。
　それにィ、りんごとォ、なしとォ、
　やッとォてにいれたァばななもッ、もぐもぐッとォ」

　……それって、要するに食べ過ぎ……。

「ふゥ～、おなかがァ、おもいィ～」

　当然ですっ。

「まぶたもォ、おもいィ～……ぐゥ～」　（←たちまち爆睡……）

怪問＆快答、空想科学！

　金木犀の花香る東京は多摩地方から、こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ！
　……むッ？　ネーさ、このごほんはァ、どこかでェ……？」

　はい！今回は、度々登場願っております空想科学研究所さまを
　またまたお呼びたてしちゃいました。
　科学と不思議と教科書には載っていない珍問珍答を愛する皆さま、
　本日はこちらの御本をどうぞ～！



　　　　　　　　　　――　空想科学読本　６.５　――


　
　著者は空想科学研究所主任研究員の柳田理科雄さん、
　’０８年７月に発行されました。
　さあ、チビっ子よ！　疑問にブチ当たったら柳田研究員さんに訊こう！
　柳田研究員さんなら答えてくれる！任せて安心！……と、
　言いたいところではありますが……。

「どしたのでスかァ、ネーさ？
　それにィ、『６.５』ッて、なにィでスかァ？」

　そう。問題は『.５』です。
　なぜ『６.５』なのか？　『７』ではないのか？

　前作『空想科学読本６』で読者から寄せられた数々の疑問に答えた柳田さん、
　或る衝動に駆られました。
　　　オレの中にも疑問はあるぞ！
　　　どうして、オレの疑問と読者さんの疑問はかぶらないんだ？
　　　……あっ、そうか。
　　　２１世紀の高校生は、知らないのかなぁ。
　　　ウルトラ兄弟とか、宇宙戦艦ヤマトとか、巨人の星とか、
　　　観たことないのかもしれない……。

「ふむふむゥ、そうかもッ」

　柳田研究員さん、ここでおとなしく、すごすごと引き下がり……ません。
　　　オレの疑問は、きみの疑問だ！
　　　みんな、聞いてくれ！
　　　止められない、オレの心の叫びを！
　　　星飛雄馬が、たった一晩でどれほど散財したのかを！！

「……ふァ？？」

　　　宇宙戦艦ヤマトは、地球を救うためイスカンダルへ向かった。
　　　うん、それはいい。
　　　だが、太陽系内でそんなに寄り道してちゃマズイだろ？
　　　間に合うのか、期限に？！？

「えッ？　え～とォ、そのゥ～……」

　　　科学特捜隊よ、怪獣ゴモラの運搬なんてとんでもないぞ！
　　　あん？　六甲山中に落っことしたぁ？
　　　なんちゅう無茶を！

　　　次はこいつだ！
　　　正義の味方といえど、
　　　都心に秘密基地作ってどうする！
　　　航空機が発着すれば、
　　　周辺ビルの窓ガラスはことごとく粉砕されちゃうぞ？
　　　耐震設計は？　
　　　省エネ対策は？
　　　どれもこれも、なっとらんだろう！
　
「あうゥッ、だ、だれかァッ、やなぎださんをォ、とめてくださいィ～ッ！」
　
　降り積もる難問！
　掘り返される奇問！
　柳田さんの暴走に、さあ、私たちもお付き合いいたしましょう！
　シートベルトをしっかり締めて！
　ポケットに非常食、手には交通安全祈願のお守り！
　準備ができたら、空想科学の謎を探る旅へ、出発です！

「みぎゃゥ～ッ！
　ほうていそくどォ、じゅんしゅゥ、でスよゥ～ッ！」