テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

新たな《十三人》。

2010-03-06 23:29:22 | ブックス
「うりゃうりゃうゥ~! とりゃッ! かかッてこォ~いッ!」
「がるるー!」(←訳:えいえいおー!)

 ちょっとちょっと、テディちゃも虎くんも、お静かになさい。
 えへん、菜種梅雨の東京・多摩地方から、こんにちは、ネーさです。
 テディちゃと虎くんが騒いでおります理由は――

「まけないィぞォ! あくにんめッ!」
「ぐるるー!」(←訳:決戦だー!)

 はいはい、ですから落ち着いて。
 えーと、ですね、毛玉ふたりをかくも熱狂させるのは、
 血沸き肉躍るお侍さんたちの物語です。
 さあ、手に汗握って、こちらを、どうぞ~!


 
                  ―― 十三人の刺客 ――



 著者はこだま雄一郎さん(『こだま』は谷へんに牙という字です)、
 原案は池宮彰一郎さん、’10年2月に発行されました。
 2010年秋公開予定の映画『十三人の刺客』をベースに、
 新たに書き下ろされたのがこの御本です。

「うむむッ!
 じだいィしょうせつゥ、なのでござるゥッ!」
「がるぐるるー!」(主人公はお侍さん!)

 映画マニアさんの中には、
 『十三人の刺客』と聞いて、おお!と思い当たる御方もおられるでしょうね。
 時間をずーっと溯って、
 昭和の38年……1963年に製作された映画がありました。
 当時の大スター・片岡知恵蔵さん主演による『十三人の刺客』は
 大きな反響を映画界に与えたといいます。
 元祖版『十三人の刺客』脚本を担当なさったのが、
 池宮彰一郎さんだったのでした。

 長い時を経て、
 新版『十三人の刺客』が世に出ようとしています。
 メガホンを取るのは……三池崇史さん!

「わおォ! あたらしィかぜッ、でスねッ!」
「ぐるーる!」(←訳:あの御方が!)

 名作とはいえ、昭和の映画がなぜ今ごろリメイク?
 流行遅れなんじゃないの?
 なんて心配は、まったくありません。
 だって、この物語、ものすごーく面白いんです!

「うむッ! びッくりィでっござるよッ!」
「がるがるがるーる!」(←訳:設定が意外なんだよね!)

 播州明石十万石、松平家の当主・松平斉宜(まつだいら・なりこと)は、
 ひどく悪評高い御殿さまです。
 その粗暴な振る舞い、悪辣非道な所業は、
 既に幕閣の重鎮たちの耳にも届いておりました。
 しかし、だれひとり、
 斉宜に意見し、諫めようとする者、
 その行いを正そうとする者はいないのです。

 斉宜は、先代将軍の子であり、
 現将軍の異母弟。
 
 厳格な身分社会の江戸時代に於いて、
 これほどの《強み》は他にない――
 斉宜は、いわばアンタッチャブルなんですね。

「ずるいィでス!」
「がるるっ!」(←訳:卑怯者めっ!)

 生来の身分を楯に勝手放題を続ける斉宜を、
 とうとう幕閣も見過ごせなくなりました。
 
 このままでは、いずれ暴動すら起こりかねない。
 しかも、近いうちに斉宜は老中職に就こうとしている……
 それだけは、許してはならない!!

 現職老中・土井利位(どい・としつら)は、
 密かに旧知の旗本・島田新左衛門(しまだ・しんざえもん)を招き、
 頼みごとをしました。

 将軍家の臣下としてはあるまじき、
 が、世情を憂う老中としてはやむを得ぬ、
 驚くべき頼みごとを――!

「ぎょうてんのォけいかくゥ、ですよッ!」
「がるるる!」(←訳:嘘みたいな!)

 平和な江戸時代に、いったい何事が出来しようとしているのでしょう?
 洗練された語り言葉で綴られるのは、
 江戸の武士たちの《覚悟》のものがたり。

 時代もの好きな御方に、
 またアクションやミステリ好きな御方にも、おすすめです!
 映画ファンさんも、ぜひ~♪

「きえーいィッ!
 えいやッ、とうゥッ! うちとッちゃうゥぞォ!」
「ぐるぐるるー!」(←訳:勝負勝負ー!)

 ……剣術好きさんも、ぜひとも!
 
コメント
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