テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

わんこもニャンコも、ひとつ屋根。

2010-03-05 23:30:18 | ブックス
「きゃぽゥ! おひさしぶりィでスッ、おひさまッ!」
「がるる~るる!」(←訳:あったかいねえ!)

 と言いたくなる日和の東京・多摩地方でしたね!
 こんにちは、ネーさです。早くホントの春が来ますように~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 さあ、本日は!
 春の優しい陽光にお似合いの、最上級ワンダフル!な一冊を御紹介いたしましょう!
 クマも虎も人間も、みーんな揃って、こちらを、どうぞ~!


 
              ―― かのこちゃんとマドレーヌ夫人 ――


 
 著者は万城目学さん、’10年1月に発行されました。
 あら、どうしましたか、テディちゃ?
 両耳がぴくぴくしていますよ?

「だッてェ、このごほんッ、ちがうのでス!
 『ほるもー』のごほんとォ、ふんいきィ、ちがッてるでスよッ!」
「がる!がるるー!」(←訳:うん!そうだよねー!)

 ええ、そうですねえ……初めて目にした御方は、
 あれれっ?と思われるかもしれませんね。
 『ホルモー』や『鹿男』など、万城目さんの御本の表紙でお馴染みの、
 石居麻耶さんの可愛らしいイラストが……ありません。
 それに、新書サイズ……?
 ちょっと不安を覚えつつも、手に取って、ページをひもといてゆけば……

 ああ、やはり万城目さん!
 万城目さんの御本です!
 他の誰でもない、万城目さんの作品ですよ!

「あァ、よかッたでス~!」
「がるるるぐるるっ?」(←訳:それでそれでっどんなおはなしぃっ?)

 新たな形で万城目さんが送り出したのは、
 かのこちゃんと、マドレーヌ夫人の物語です。
 小学校の一年生になろうとしている、かのこちゃん。
 そしてアカトラ猫のマドレーヌ夫人は、
 かのこちゃんのお家で飼われている柴犬の玄三郎(げんざぶろう)さんの、
 奥さん、なんです。

「……いぬとォねこッ??」
「がるぐるがる?」(←訳:ニャンコとワンコが夫婦なの?)

 いいじゃありませんか、ワンニャンブライダル♪
 かのこちゃんは疑っていませんよ。

 そう、かのこちゃんの関心は、マドレーヌ&玄三郎夫妻よりも
 『すずちゃん』に注がれています。
 クラスメイトの、すずちゃん。
 ひと目見たときから、

  『こやつはできる』

 と、かのこちゃんに確信させたのが、すずちゃんでした。
 すずちゃんと話したい。
 お喋りして、仲良くなりたい。
 ところが、すずちゃんの方は……かのこちゃんを避けている様子が?
 ああ、学校って難しい。
 都こんぶを食べながら肩をすくめ、
 それでも期待を抱きつつ、今日も登校するかのこちゃん。
 或る月曜日、教室に到着したかのこちゃんは驚きます。
 何でしょう、この異様な空気は?
 いつもと違う何かが、起ころうとしている?

「うむむッ、せいとさんたちがァ、いッぱいィいまスよッ?」
「がるる~る?」(←訳:喧嘩じゃないよねっ?)

 ひとは言います。
 『こども時代は、暗黒の時代だった』と。

 また、こう言う人もいます。
 『僕のこども時代は、黄金時代だったよ』と。

 では、いまその《こども》時代の只中にいるかのこちゃんにとって、
 世界は何色をしているのでしょうか?
 おとうさん、おかあさんがいて、
 すずちゃんがいて、
 玄三郎とマドレーヌ夫人がいる、
 かのこちゃんの周囲は、どんな色……?

「じゅんぱくのォ、しろいろォ、かなッ?」
「がるぐるぐる?」(←訳:若草色かも?)

 気が早過ぎるよ、と嘲笑されるのを承知で言っちゃいましょう。
 これは、2010年ベスト!に数えられる、
 いえ、数えるべき御本です!!
 ある時はかのこちゃんになりきり、
 またある時はマドレーヌ夫人になりきり、 
 目に見えない大事なものを語りきる
 魔術師・万城目さんの最新作品を
 活字を愛する方々は、ぜひ!
 ネーさ激おすすめの一冊ですよ~!
 
「ねこずきさんもォ、わんこずきさんもォ、よんじゃおうゥッ!」
「がるるっるぐるぐる~!」(←訳:万城目さんっ虎もキャストに加えて下さい~!)
コメント
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