テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

今回は、強敵が?

2010-03-03 23:32:14 | ブックス
 今日の花粉悲惨、いえ、飛散量は今シーズン最高だったわ~と思うネーさです、
 花粉症仲間の皆さま、こんにちは。ぐすん。

「こんにちわゥ、テディちゃでス! めがァ、かゆいィでスよゥ~」
「がるるっ! がる~……」(←訳:虎ですっ! 鼻水が……)

 最近はヨーロッパでもスギ花粉が問題になっているそうですが、
 この御方たちの時代は、どうだったのでしょう?
 さあ本日は、こちらのDVDブックを、どうぞ~!


 
            ――シャーロック・ホームズの冒険 vol.19 ――



 制作は英グラナダTVさん、画像の宝島MOOK版は’10年3月に発行されました。
 原作では短編であった『サセックスの吸血鬼』が、
 ここでは長編の映像作品となっています。
 主演のホームズさん役、ジェレミー・ブレッドさんもびっくり!な脚色ぶり?ですね。

「わうゥ~……きゅけつきィ……」
「がるるー!」(←訳:人間の天敵だ!)

 原作は、ミステリ好きさんにはよく知られている作品ですけれど、
 まだ御存知ない、という御方のために、
 詳しいストーリー紹介は控えちゃいましょう。
 ただ、今回ももちろん!ホームズさんは大活躍!
 『吸血鬼』の謎に、正攻法で取り組みます。

「うむむッ、それでこそォ、われらがァ、めいたんていさんッ!
 でもォ……なんでェ、きゅうけつきィ??」
「がるるぐるるー?」(←訳:狼男じゃなくて?)

 そうですね、ではテディちゃに虎くん、
 前々回の記事で御紹介しました『フランケンシュタイン・コンプレックス』を
 思い出して下さいな。
 メアリー・シェリーさんの著作、
 『フランケンシュタイン』は
 或る約束から生まれたのでした。

 1816年の夏のこと、
 レマン湖畔の別荘で、4人の若者が話し合います――
 どうだい、怖い物語を作ってみようじゃないか。

 4人とは、バイロン卿、
 詩人のP・B・シェリーとその妻メアリー、
 医師のポリドリさん。
 バイロン卿とシェリーさんは書き出したものの完成に到らず、
 メアリーさんとポリドリさんの二人が
 約束を守ります。
 メアリーさんの著作は、言うまでもありませんね。
 『フランケンシュタイン、または現代のプロメテウス』という、
 世紀の傑作でした。
 そして、ポリドリさんの作品は……。

「ふむむッ? なにィでスかッ??」
「がるー?」(←訳:どんなのっ?)

 ポリドリさんの著作は、
 ……『吸血鬼』。

「わうううゥ~ッ!」
「がるるぐるるるっ!」(←訳:確かに約束通りだけどっ!)

 メアリーさんの作品ほど目立ちはしませんでしたが、
 ポリドリさんの書いた短編小説――吸血鬼を扱った小説はこれが初、とされるこの作品も、
 静かな波紋を世に及ぼします。
 後代、何作もの吸血鬼小説が出版され、
 その頂点を極めたのが……『ドラキュラまたは不死者』、
 日本では『吸血鬼ドラキュラ』として知られる作品ですね。

 つまり、ホームズさんの時代は吸血鬼ものが大ヒット中、だったのでした。

「ふァ~、ぶーむゥ、でスかァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:人間界のヘンな流行だね!)

 その流行――扇情的な《流行りもの》への、
 ホームズさんの(ひいてはコナン・ドイル卿の)答えが
 『サセックスの吸血鬼』であったのかもしれません。
 
  吸血鬼、なんて簡単に口にするけれど、
  それでいいのか?
  流行や噂を盲目的に信じ、騒ぎ立てるのではなく、
  検証することを忘れるな。
  科学の心をわすれるな、と。

 そんな原作のテーマからはちょっぴり離れてしまった気もいたしますが、
 ホラー&ミステリ好きな御方、
 ホームズさんマニアさんには十二分に楽しめる映像作品です。
 雨の週末などに、おすすめですよ~♪

「ほーむずさんッ、おおかみおとこもォ、やッつけてくださいィ~!」
「がるるる!」(←訳:ネズミ男もね!)
 
コメント
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