テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

熱い日の、ミステリ!

2010-08-01 23:18:46 | ブックス
 8月ですね! お子ちゃまたちは真っ黒に日焼けし、
 マックのフードストラップ欲しいよ~!とネーさが駄々をこねる8月です。
 こんにちは~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐる~る!」(←訳:虎で~す!)

 さあ、8月最初に御紹介いたしますのは、
 ちょうど現在のような、
 8月の暑い東京から始まる連作ミステリです。
 こちらを、どうぞ~!



              ―― プロメテウス・トラップ ――



 著者は福田和代さん、’10年2月に発行されました。
 『Prometheus Trap』と英題が付されています。
 
「ぷろめてうすゥ、ッてェ、しんわッ、でスねッ!」
「ぐるるがる~る?」(←訳:神様が出てくるの?)

 いえいえ、この御本の主人公さんは人間さんですよ。
 ただし、ごく一部の人たちには、かつて“神”扱いされたこともある
 ちょいっと変わった人間さんです。

 能條良明(のうじょう・よしあき)さんは、
 東京で暮らしているフリーのプログラマーさん。
 今日も、エアコン不調の古びたマンションの一室で、
 徹夜してプログラムを書き上げ、
 息抜きのつもりでバーへお出掛けしてみたら……

 すっ、と近寄ってきたのは、
 どことなく怪しい男。

「うむゥ、くんくんッ!
 たしかにィ、におうゥでス!」
「がるがるるー!」(←訳:危ない匂いがするー!)

 どうやってか男は、
 能條さんが隠していた――いえ、忘れようとしていた過去を
 詳しく知っていました。

 米国MITに留学していた折に、
 能條さんがコンピュータ犯罪に手を出し、
 逮捕されたこと。
 能條さんが使っていたハンドルネームが《パンドラ》であること。

 今さら言い立てられたくない事柄を突きつけられ、
 動揺する能條さんに、
 男は取り引きを申し出ます。
 ……取り引き?
 ビジネスでしょうか?
 それとも……脅し?

「ぎゃわうゥ! ますますゥ、きけんッ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:逃げた方がいいよ!)

 冒頭に収録された表題作『プロメテウス・トラップ』、
 それに続く《プロメテウスの冒険》とも呼ぶべき全6話は
 映画を想わせるミステリストーリーです。
 コンピュータ犯罪、
 サイバーテロなどをテーマにした作品ですが、
 専門知識がなくとも
 充分に楽しめるエンタ作品でもあります。

 人間に《火》を与える代わりに
 途轍もない業を背負うこととなった神ならぬ神・プロメテウス。
 その名を冠する人間――能條さんの身に
 襲い来る試練とは?

 ミステリ好きさんに、
 そして映画好きさんにもおすすめしたい一冊です!
 この御話……映像化したら、きっとステキなんですけど!

「むぽッ♪
 しゅえんはァ、だれがァ、いいかなッ♪」
「がるぐるるっ!」(←訳:僕やりますっ!)
「そんならァ、テディちゃもォ!」
 
 ……主演は、とりあえず人間さんで!
 
コメント
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