テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

笑いとエンタがお江戸で両立~♪

2010-08-23 23:14:58 | ブックス
 お腹の底から、ずずぃっと力を込めて……
 残暑お見舞い申し上げます!
 こんにちは、もう暑いの飽きちゃったネーさです。ふー。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるるー!ぐるがるるっ」(←訳:虎ですー!僕たちからもっ)
「ざんしょッおみまいィもうしあげェまスゥ~♪」

 灼熱の日の読書タイムには、
 はいっ、明朗快活♪右往左往♪勧善懲悪♪な
 エンタストーリーを、どうぞ~!


 
                 ―― 天狗小僧 ――



 著者は幡大介さん、’10年4月に発行されました。
 副題に『大富豪同心』とありますように、
 第一作『八巻卯之吉 放蕩記 大富豪同心』に次ぐ
 『大富豪同心』シリーズの第二作です。

「あはッ♪
 へんてこォどうしんのォ、うのきちさんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:異色の同心さんだよね!)

 色男、金と力はなかりけり――
 いえいえ、南町奉行所の見習い同心さん、
 八巻卯之吉(やまき・うのきち)さんは、
 優男ですが、
 腕力なんぞもありませんが、
 財力ならばお任せ下さい!
 何故というに、
 卯之吉さん、生まれはお武家さんではなくて、
 ちゃきちゃきの江戸の町っ子ちゃん――町人さんです。
 そう、江戸っ子にはよ~く知られた、
 お江戸随一の札差『三国屋』の若旦那といやぁ、
 卯之吉さんのことよっ!てな具合なんですね。

「いよッ! あそびにんッ!」
「がるがるっ!」(←訳:ドラ息子っ!)

 『三国屋』の主である祖父の策により、
 はからずも奉行所の同心さんになっちゃった卯之吉さん、
 今日も今日とて、
 盗賊追跡に忙しい同僚さんたちの輪から外れ、
 お茶など啜っておりますと……
 あらら、上役さんから任務を命じられてしまいました。

  町を騒がしてる天狗小僧ってぇ奴を何とかしろ!

 いまお江戸の町は、
 高尾山の天狗さまによって神隠しに遭ったという
 油問屋『白滝屋』の一人息子・七之助の噂で
 もちきりなのでございますよ。

「ふァ~?
 てんぐさまがァ、かみかくしィ??」
「がるぐるるー?」(←訳:聞いたことないよー?)

 八王子っ子の私たちにも
 初耳なんですけれど……ホントかしら?
 天狗さまが神隠しなんて~??

 本当なのか、嘘なのか――
 嘘であるとしたら、どうしてまたそんな虚言を?
 
 卯之吉さん、
 悠然と探索に乗り出します。
 別に手柄を立てたいわけじゃあないけどさ、
 気になるじゃあないか、と。

「うそをォついたらァ、てんぐさまがァ、おこりまスよゥ!」
「がるるーぐるがる!」(←訳:天罰が下っちゃうからね!)

 トンチンカンであるような、
 意外にしぶといような、
 規格外同心の卯之吉さん。
 事件を解決……できるんでしょうか?

「あまりィ、きたいィしないでおこうッ!」
「……ぐるる~がるる?」(←訳:……でも~もしかしたら?)

 猛暑の憂さも笑い飛ばす、
 卯之吉さんの快進撃、いえ、怪進撃!!
 ひと味違う江戸エンタをお探しの活字マニアさんに
 おすすめのシリーズです。
 ぜひ~!
 
コメント
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