テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

お江戸を走るは……マネージャーさん?

2011-09-19 23:19:15 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 『ツールド北海道2011』は最終日の今日、札幌市にてタイムトライアルレースを開催、
 4日間の全ステージが終了となりました。
 個人総合一位は、ルチアーノ・チャヴェスさん!
 おめでとうございますー!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おめでとうゥでスッ!」
「がるる!ぐるがるがるがるがるぐるるー!」(←訳:虎です!おめでとう&お疲れさまー!)

 学生選手さん、日本人選手さん、
 いずれは本場でのグランツール出場を目指してファイトっ!
 幸運を祈っておりますよ!
 ふー、
 我が国でも指折りの自転車競技大会が無事に幕を閉じたところで、
 さあ、本日も、読書ターイム!
 秋の夜長は、こちらを、どうぞ!!

  


 
                 ―― ちょちょら ――


 
 著者は畠中恵さん、2011年3月に発行されました。
 題名になっている『ちょちょら』とは……えーと、何のことでしょう?
 『ちょちょら』――
 なんだかオモチャみたいな、
 リズミカルな単語の意味は……
 はい、これね!
 御本巻頭の、『江戸語事典(東京堂出版)』引用抜粋によりますと、

  弁舌の立つお調子者。
  いい加減なお世辞。
  調子の良い言葉。

 なのだそうです。

「ほほうッ?? おえどのォ、ことばッ?」
「ぐるがるぐるるるる!」(←訳:初めて耳にしました!)

 ええ、そうです、
 これは、私たちにも初耳の、
 或る『ちょちょら』な、
 野球部マネージャーさんのものがたり~!

「……ふァ???」
「……がるっ??」

 はいはい、分かります、言いたいことはよ~く分かりますわ。
 時代はお江戸、
 物語の舞台もお江戸の町、と
 これはいわゆる《時代小説》ジャンルの御本なのではありますが……
 読み進めてゆくうち、思うのです。

 主人公の間野新之介(まの・しんのすけ)さんって、
 高校の野球部マネージャーさんそのものだわ~!と。

 大会の日程を調べて部員たちに報せ、
 選手の登録や、今年度から変更になったルールの確認、
 試合が行われる球場へ選手たちを連れてゆかなきゃならないし、
 ドリンクの準備、ユニフォームの支度、
 救急箱を抱え、おっと、スコアブックもつけて、
 それからそれから、ああ、忙しい。

 新之介さんも、同じです。
 あああ~、忙しい。
 多々良木(たたらぎ)藩の江戸留守居役、
 それもピカピカの新米留守居役である新之介さんは、
 今日は接待、明日も接待、
 登城したら情報収集に努め、
 他藩の留守居役さんと意思疎通&根回しをも怠りなく、
 自分の《藩》すなわち《お家》がつつがなく存続するよう、
 身を粉にして奔走する――

「うむゥ、たいへんなァ、おしごとゥ!」
「ぐるがるがるる~…!」(←訳:苦労してるんだ~…!)

 戦国時代ははるかむかし、
 とっても平和な江戸の町で、
 しかし、新之介さんは孤独な闘いをしています。
 噂では、近々、大掛かりな普請(ふしん)が計画されているらしい……
 もし我が藩が、普請を命じられたりしたら……
 ああ、おしまいだ!
 何万両もの巨額な普請予算を担当する財政力など、
 こんな小藩にはありはしない……!

 悲劇を回避すべく、
 新之介さんは計略を練ります。
 あたかも、部員たちを甲子園へ連れてゆこうと決意した
 野球部マネージャーのように。

「がんばれェ、しんまいィさんッ!」
「ぐるがるるるぐるがるがるー!」(←訳:アルプススタンドで応援したげるー!)

 新之介さんの奇策奇案の結果や如何に!
 お江戸の町に、留守居役さんたちの『えいえいおー!』がこだまする?
 勝利の雄叫びは……聞こえる、んでしょうか?

 連休にうってつけのお江戸サバイバルドラマ、
 未読の御方は、ぜひ!

「えいかんをォ、もとめてッ!」
「ぐるるっがるがるるるー!」(←訳:かっとばせホームラン!)
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする