テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

赤と金の嘘。

2011-09-27 23:13:35 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 あちこちのお店に、2012年の手帳やダイアリーが並んでいますね~♪
 どれも可愛いわあ~♪♪

「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 いろいろあッてェ、えらぶのォ、たいへんでスよゥ!」
「がるる!がるるるぐるがるるる♪」(←訳:虎です!カラフルなのがいいな♪)
 
 このところアイルーちゃんが気になります……
 私ネーさ、モンハンはやりませんけれど、アイルーちゃんたち、
 それにプーギーちゃんもいいわね!
 本日は、キャラクターものとはちょっと違うのですが、
 わあ!可愛い!
 と叫んでしまうアート本を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  


 
               ―― 金魚養画場 ―― 


 
 著者は深堀隆介(ふかほり・りゅうすけ)さん、2011年8月に発行されました。
 『a goldfishing studio』と英題名が付されています。

「わほほッ♪ きんととッ!」
「がるるるぐるるー!」(←訳:ホントだ金魚だー!)

 桶に満たされた水の中をすいすいと泳ぐのは、
 朱赤色もまぶしい金魚ちゃんたち……
 と見えるのは、真っ赤な嘘!
 これは、金魚ちゃんであって金魚ちゃんではない、
 なんとも衝撃的なアート作品なんです。

「えェッ? うそォなのッ??」
「ぐるがるぐる?」(←訳:金魚アートぉ?)

 現在発売中の週刊文春(9/21発売の9/29日号)巻頭のカラーページで
 深堀さんが特集されているのを
 御覧になった活字マニアさんもおられることでしょうね。
 そのページではとても上手に
 深堀さんの作品の制作方法の説明が為されていました。

 型に流しこんだ樹脂の上に、金魚の画を、一部分描く。
 その上に、また樹脂を流し入れ、また金魚の画を、前とは違う一部分を描いて。
 またまた樹脂を流し入れたら、またまた金魚の画を……と、繰り返して。

 横から見るとCTスキャンのような金魚の輪切り画像、
 でもそれを、
 上から見ると、
 樹脂の水中を立体となって泳ぐ
 一匹の金魚が……!

「おおおォッ! やぱりィ、きんととッ!」
「がるるるぐるーるる!」(←訳:生きてるようだよー!)

 画を描くことは、嘘をつくこと。
 ないものを、あるかのように。
 2次元の中に、3次元を。
 3次元の中に2次元を。
 永遠の中に一瞬を。
 一瞬の中に、永遠を。
 
 花も実もあるウソをつくこと。

 樹脂で空間を創り、
 絵具の金魚に生命を与える――

 これほど美しい嘘は、滅多にありません。
 
「ううゥむッ!
 なんどォ、みてもォ、しんじられないィ!」
「ぐるがるがるる?」(←訳:ホントに嘘なの?)
「ほんものにしかァ、みえないィのでス!」

 画集のページの、
 桶の中、
 枡の中、
 柄杓の中を泳ぐ金魚ちゃんたちは、
 赤であったり、
 黒出目ちゃんであったり、
 銀や斑、
 ほっそり、ぷっくり、と
 色も形も百魚百様です。

 御本の後半には、
 平面作品、テキスタイル作品等も取り上げられていて、
 深堀さんの《金魚》たちの
 多面性がうかがわれます――
 キレイで可愛くて、
 ちょっと微笑ましくて、
 そぞろ怖いような、
 ウロコと尾ヒレを持つアンドロイドたち。

 深堀さんの作品をまだ見たことないわ!という御方は、
 ぜひ注目を。
 既に作品の実物を知っている方々もこの御本で再見を。
 そして、機会があればぜひ個展会場で
 金魚ちゃんたちと対面を!

「ふァいッ!
 あッてェみたいなッ♪きんととちゃんッ♪」
「がるぐるぐるがる?」(←訳:餌あげてもいい?)
 
 いいえ、餌やり厳禁です!
 ただし拍手は大歓迎~!
 
コメント
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