テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

かつてない常設展?/版画美術館レポおまけ編!

2011-09-26 23:41:11 | ミュゼ
 こんにちは、ネーさです。
 今日の関東地方、とっても寒い連休明けとなりましたね~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さむむッ! ぶるるッ!」
「がるる!がるぐるるるるぐるるる!」(←訳:虎です!昨日の電車は冷房ONだったのに!)

 ではアツアツの飲物で突然の寒さに対抗しながら、
 前回記事に続いて本日も
 町田市立国際版画美術館ミニレポを、どうぞ~!

  

 2011年9月25日までの会期で、
 町田市立国際版画美術館・常設展示室で開催されていたのは


  《素朴な美 ― フランスの民衆版画》

  《長谷川 潔》


 という常設展を超えた常設展でした!
 すごい!すごいです!
 こんな常設展があっていいのかしら?
 企画展じゃないんですかコレは?と言いたくなっちゃう常設展です!

「ふァ~? そうなねスかッ??」
「ぐるがるるるがるるる?」(←訳:どこがそんなにスゴイの?)

 まず、
 《素朴な美―フランスの民衆版画 The Simple Beauty of French Poplar Images》が
 さりげなくすごいです!
 挿絵本や稀覯本マニアの心をくすぐる作品がずら~り!
 19世紀フランスの版画技術って高水準ね!と
 感心しながら次の展示室へと進んでゆけば……
 いよいよです!
 
「うむゥ! しろとくろのォ、せかいッ!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:ドキドキするね!)

 《シリーズ現代作家 長谷川潔》

 1891年、横浜に生まれ、
 28歳のとき(1919年)渡欧して以降89歳で没するまでフランスに居住、  
 『黒の詩人』『マニエル・ノワールの巨匠』と敬愛された銅版画家さんが、
 長谷川潔(はせがわ・きよし)さんです。
 展示作品の約半数が町田市立国際版画美術館所蔵品、
 その他は個人所蔵の作品だそうですが、
 全67点の作品群は、
 このまま国立近代美術館の企画室に展示してもまったく遜色なし!ですよ。
 
 常設展示室、というのは、たとえそれが国立西洋美術館の常設展であろうと、
 どこかのんびりした、ゆるい空気が流れています。
 けれど、長谷川潔さんの作品が展示されたこの常設展示室は別でした。
 漫然と見流すことを許さない張りつめた空気、気配、緊張を、
 観る者は感じ取るはずです。

 フランスに暮らしながら、
 藤田嗣治とは異なる道を歩んだ長谷川さん。
 作品は、多くが小版のもので、
 遠目からの第一印象は、
 う~ん、地味だなあ、暗いなあ、
 そんなところかもしれませんが――

 作品の細部を肉眼で視認できる位置に立てば、
 啞然となることでしょう。

 この黒は、すごい!

「ふつうのォ、くろじゃァないのでス!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:粒子が違うんだ!)

 代表作とされる『時』、『本の上の小鳥』、『玻璃球のある生物』、
 そして仏訳版『竹取物語』の挿絵の数々……
 
 よく”絵の前で時間を忘れる”などといいますが、
 私ネーさ、久々にその忘我状態を体験いたしました。
 フェルメールさんの『真珠の首飾りの少女』を拝見して以来の、
 背筋がぞくりとする衝撃です!

  

 ↑上の画像は、版画美術館のミュージアムショップにて購入しましたポストカードブックです。
 常設展なので、残念ながら、チラシもカタログも製作されておりません。
 カタログの代わりに……と購入したポストカードブックですが、
 印刷の精度は良く、
 アート好きさんにもおすすめできるものですよ♪
 (発行は玲風書房、お値段は税込み¥1.000)
 長谷川さんの作品22点が収録されています。

 常設展の常識を凌駕する《シリーズ現代作家 長谷川潔》は、
 哀しいかな、終了してしまいました。
 ですが、もし長谷川さんの作品を目にする機会を得られたら、
 どうか皆さま、お見逃しなきよう!
 この《黒》は、特別な《黒》です!

 
  

「むゥ? おややッ、これはァ!」
「ぐるがるる!」(←訳:ドングリだ!)

 美術館がある芹ヶ谷公園には、
 先日の台風が原因でしょうか、
 ドングリくんがたくさん落ちておりました。
 この先、ドングリを見るたびに
 長谷川潔さんの画を思い出すことになりそうです。
 
  
コメント
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