こんにちは、ネーさです。
あ~あ、自転車競技の世界選手権が行われているデンマークの首都コペンハーゲンは、
そこそこ良いお天気だというのに、
ここ日本は台風……どうか皆さま、御用心下さいね!
「こんにちわッ、テディちゃでス!
さむッ!」
「ぐるるー!がるがるがるぐる!」(←訳:虎ですー!風邪引いちゃいそう!)
ひんやりした空気が流れてきたら、
悪天候のせいなのか、
それとも……
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!
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―― あやかし草子 ――
著者は千早茜さん、2011年8月に発行されました。
『みやこのおはなし』と副題が付されています。
「むむッ?? あやかしィ??」
「がるぐるる!」(←訳:怪しいね!)
ええ、そうです、
喉元に吹きつけてくるのは、あやしの風。
ただし、大いに怪しいその風が渦を巻いているのは、
東京に首都がある現代ではなく、
《みやこ》といえば京都であった時代のものがたり。
ほらほら、すぐそこに、見えませんか?
以前は栄華を誇った都の大門が、
ちょこっと寂れてはおりますけれど、
今もなかなか、見上げるほどの大楼ぶりじゃございませんか。
「うそでスゥ! ぼろぼろォ、でスよゥ!」
「がるぐるぐるるー!」(←訳:荒れ果ててるよー!)
えー、おほん、まあそうね。
極彩色に塗り飾られていた楼門は、
最近では目も当てられない廃れよう、です。
都の住人さんたち、この楼門を天然の葬儀場と見做したのか、
怖ろしいものを捨てにやって来ます。
それは――
「ひィッ! いわなくてェ、いいでスゥ!」
「がるるー!」(←訳:怖いよー!)
えへん、えーと、その、でもね
たまにはね、いるんですよ。
ものを捨てるためにではなく、
他のことをするために来るひとも、ね。
その男は、毎夜毎夜、やって来ます。
何をしに、って、
笛を吹くために。
陽が落ちてからは人っ子ひとり近付かない、
いえ、昼日中でも都人が忌避するその楼門を訪れるのは、
ただただ、思いのままに笛を鳴らすため。
笛の音に耳を傾ける者など、
皆無であるはず、でした。
が、或る日、じっと男の笛に聴き入る巨きな黒い影が……。
「わわきゃッ! でたァのでス!」
「がるぐるー!」(←訳:逃げようー!)
朽ちかけた楼門に棲む、おそろしい鬼。
この主題(テーマ)に、多くの作家さんたちが魅了され、
さまざまな《門にすむ鬼》の物語が創られてきました。
近年で最も印象的な小説作品は、といえば、
夢枕獏さんの『陰陽師』でしょうか。
著者・千早さんの《鬼》の御話は、
夢枕さんの作品に対する一種のアンサーソングを想わせます。
《鬼》に遭った者は、出遭ってしまった者は、
いったいどこへ往くこととなるのか――
『鬼の笛』
『ムジナ和尚』
『真向きの龍』
『天つ姫』
『青竹に庵る』
『機尋』――
収録されている5編の作品は、
ホラーとファンタジーの中間に位置するような、
味わい深い、旧き時代の《あやかし譚》です。
秋の旅行は書物の世界で、という活字マニアさんにおすすめ!ですよ~♪
「こわいのォ、すきなァ、ひねくれものさんはァ、ぜひィ!」
「がるぐるるるるがるるーがるー!」(←訳:ボクは夢でうなされそうだよー!)
あ~あ、自転車競技の世界選手権が行われているデンマークの首都コペンハーゲンは、
そこそこ良いお天気だというのに、
ここ日本は台風……どうか皆さま、御用心下さいね!
「こんにちわッ、テディちゃでス!
さむッ!」
「ぐるるー!がるがるがるぐる!」(←訳:虎ですー!風邪引いちゃいそう!)
ひんやりした空気が流れてきたら、
悪天候のせいなのか、
それとも……
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!
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―― あやかし草子 ――
著者は千早茜さん、2011年8月に発行されました。
『みやこのおはなし』と副題が付されています。
「むむッ?? あやかしィ??」
「がるぐるる!」(←訳:怪しいね!)
ええ、そうです、
喉元に吹きつけてくるのは、あやしの風。
ただし、大いに怪しいその風が渦を巻いているのは、
東京に首都がある現代ではなく、
《みやこ》といえば京都であった時代のものがたり。
ほらほら、すぐそこに、見えませんか?
以前は栄華を誇った都の大門が、
ちょこっと寂れてはおりますけれど、
今もなかなか、見上げるほどの大楼ぶりじゃございませんか。
「うそでスゥ! ぼろぼろォ、でスよゥ!」
「がるぐるぐるるー!」(←訳:荒れ果ててるよー!)
えー、おほん、まあそうね。
極彩色に塗り飾られていた楼門は、
最近では目も当てられない廃れよう、です。
都の住人さんたち、この楼門を天然の葬儀場と見做したのか、
怖ろしいものを捨てにやって来ます。
それは――
「ひィッ! いわなくてェ、いいでスゥ!」
「がるるー!」(←訳:怖いよー!)
えへん、えーと、その、でもね
たまにはね、いるんですよ。
ものを捨てるためにではなく、
他のことをするために来るひとも、ね。
その男は、毎夜毎夜、やって来ます。
何をしに、って、
笛を吹くために。
陽が落ちてからは人っ子ひとり近付かない、
いえ、昼日中でも都人が忌避するその楼門を訪れるのは、
ただただ、思いのままに笛を鳴らすため。
笛の音に耳を傾ける者など、
皆無であるはず、でした。
が、或る日、じっと男の笛に聴き入る巨きな黒い影が……。
「わわきゃッ! でたァのでス!」
「がるぐるー!」(←訳:逃げようー!)
朽ちかけた楼門に棲む、おそろしい鬼。
この主題(テーマ)に、多くの作家さんたちが魅了され、
さまざまな《門にすむ鬼》の物語が創られてきました。
近年で最も印象的な小説作品は、といえば、
夢枕獏さんの『陰陽師』でしょうか。
著者・千早さんの《鬼》の御話は、
夢枕さんの作品に対する一種のアンサーソングを想わせます。
《鬼》に遭った者は、出遭ってしまった者は、
いったいどこへ往くこととなるのか――
『鬼の笛』
『ムジナ和尚』
『真向きの龍』
『天つ姫』
『青竹に庵る』
『機尋』――
収録されている5編の作品は、
ホラーとファンタジーの中間に位置するような、
味わい深い、旧き時代の《あやかし譚》です。
秋の旅行は書物の世界で、という活字マニアさんにおすすめ!ですよ~♪
「こわいのォ、すきなァ、ひねくれものさんはァ、ぜひィ!」
「がるぐるるるるがるるーがるー!」(←訳:ボクは夢でうなされそうだよー!)