テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

時代の壁もなんのその♪

2012-06-22 23:33:57 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……むッ? むむッ! これはァ~ッ!」
「がるる!ぐる!がるぐるるるぐる!」(←訳:虎です!毛虫!毛虫がいますよお!)

 こんにちは、ネーさです。
 玄関の扉を開けたら、あ~らまあ?
 毛虫さんがピコピコお散歩中じゃありませんか。
 刺されないよう注意しながら、庭のすみっこへお引き取り願いましたよ。

「すででェ、さわッちゃだめでスよゥ!」
「がるがるぐるぐる!」(←訳:バイバイ毛虫くん!)

 人間やワンコ、ニャンコたちとは相性のよくない毛虫くんですけれど、
 いますよね、人間界にもチクチク毒針を持つ困ったちゃんが!
 本日は、そんな困ったちゃんと戦うユニークなミステリを御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  


 
                 ―― 迷走パズル ――


 
 著者はパトリック・クェンティンさん、原著は1936年に、画像の日本語版は2012年4月に発行されました。
 英原題は『A PUZZLE FOR FOOLS』、
 英米圏のミステリ好きさんには有名な、
 《パズル》シリーズの第一作が、ようやく!
 日本語訳版刊行となりました!
 めでたいわ~♪♪

「せんきゅうひゃくゥさんじゅうろくねんッ!」
「ぐるるるがるぐるるる!」(←訳:ずいぶん昔の御本だね!)

 ええ、80年近くも前のお話、ではあありますが、
 古びていませんよ!
 ちょっとヘンテコな主人公さん、
 うんとヘンテコな登場人物各氏、
 じわじわっとヘンテコな物語は、
 充分に2012年の現在でも通用します!

「へんてこォ、でスかァ~?」
「がるるぐる~?」(←訳:どんな風に~?)

 主人公のピーター・ダルースさん、
 ブロードウェイでは
 ちょいと名の知られた演劇プロデューサーさんです。
 いえ、でした、と申し上げるべきでしょうか……
 ピーターさん、
 いわば開店休業中。
 なぜなら、本人いわく、

  《一日八時間のスケジュールで二年に渡り酒を飲んでいた》。

 そうなんです、
 ピーターさんてば、アルコール依存症。
 私はアルコール依存症なのだ、と自覚症状があるところが、
 また始末に悪いわね。

「わかッていながらァ~」
「がるがるぐるるぅる!」(←訳:ついつい飲んじゃう!)

 これではアカンと、
 或る日ピーターさんは思い立ちました。
 友人たちにも背を押され、
 依存症治療のための療養所へ――

 治療は厳しく、苦しいものですが、
 そこは高額な治療費を要する私立の療養所です。
 入所しているのは、
 高名な指揮者さんや、
 大金持ちさんだったり、と
 実情はそこそこ優雅というか、
 のんびりというか、
 どこか余裕が感じられる場所……だったはずが。

 なんだかヘンテコ、いえ、変です。
 
 所内に漂う緊張感。違和感。
 療養所長さんも、ピーターさんにそっと囁きました。

  《いるべきでない人物がいる》。

「ひゃわわァ~! とりはだァッ!」
「がるるぐるるぐるる!」(←訳:起こりますか事件が?)

 不安は的中?!?
 療養所と患者さんたちを震撼させる事件が起こってしまいます。
 解決しなくちゃ!
 でもホントは骨の髄から演劇プロデューサーのピーターさんに、
 探偵役は務まるのでしょうか……?

 時を経ても輝きを失わない燻し銀のミステリ、
 ミステリマニアさんは読み逃さないでくださいね~♪
 
「がんばれェ、ぴーたーさんッ!」
「がるぐるるがるぐるがる!」(←訳:応援したくなる御話です!) 

 
コメント
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