テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

つよきもの、ほろびぬもの。

2012-06-11 23:32:34 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 PLAZAさんでは今日から《アメイジング・スパイダーマン》フェアが開催ですよ~♪ 

  

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くもだッ! くもおとこォだァッ!」
「がるる!ぐるるがるぐるるがるる!」(←訳:虎です!映画が公開されるもんね!)

 『スパイダーマン』といえば、米国の有名なコミックキャラクター。
 そして、キャラクターといえば、
 皆さま、憶えておられるでしょうか?
 
 東日本大震災の後、
 子どもたちを力付けよう!と展開された
 《手をつなごう大作戦》を。
 肖像権や出版権などの壁を乗り越え、
 ミッフィーちゃんやリラックマちゃん、どーもくん……
 大勢のキャラちゃんたちが手をたずさえた心優しい大作戦!
 震災から一年と三ヶ月を経た本日は、
 観る者にチカラをくれるステキなものたちが主役の一冊を、
 さあ、どうぞ~!

  


 
            ―― 日本の『かわいい』図鑑 ――


 
 著者は中村圭子さん、2012年4月に発行されました。
 『ファンシー・グッズの百年』と日本語副題が、
 『JAPANESE Kawaii』と英語題名が付されています。

「かァ~わァ~いィ~ッ!」
「ぐるるがるぐるるがる!」(←訳:もはや世界共通語だよ!)

 そうね、
 ピエール・エルメさんが自作のお菓子に『Kwaii』と名付けた頃あたりから、
 かわいい!という日本語は
 広く広く世界で知られるようになりました。

 この御本では、
 思わず、きゃー!かわいい!と言いたくなってしまう
 『女性の身辺にあるこまごまとした生活雑貨』、
 すなわち《ファンシー・グッズ》の歴史が紹介されています。

    第一章――大正ロマンの世界に『可愛い』が芽生える

    第二章――『可愛いは禁止!』の時代だったけれど……

    第三章――日本経済とともに『かわいい』も成長

    第四章――日本の『カワイイ』が世界の『Kwaii』へ

    第五章――少女付録の歴史

「むむッ! これはァ、たぶんッ!」
「がるぐるがるるるる!」(←訳:まるで日本の美術史!)

 日本の美術史、いえ、日本のデザイン史と
 《可愛い》は密接な係わりがある、と
 読み手さんはすぐに気付くことでしょう。
 
 現在も根強いファンを持つ竹久夢二さんの装飾デザイン。
 激動する大正・昭和の時代、
 規制されていはいたけれど、
 ひそかに、力強く生き延びた『かわいい』ものたち。
 そして戦後、
 一気に花開く色とりどりのファンシー・グッズ。

「にほんじんはァ、かわいィ!がァ、だァ~いすきッ!」
「ぐるるぐるがるがるるぐるるる!」(←訳:世界中の人たちも好きみたいだよ!)

 ええ、昔むかしから、
 日本人は可愛いものが大好き♪
 幕末~明治にかけて活躍した河鍋暁斎さんは
 カエルたちの楽しいキャラ画を描きました。
 江戸期の画家・丸山応挙さんのワンコ画なんてもう、
 柴犬マニアさんたちが気絶しちゃう可愛らしさです。
 あの『鳥獣戯画』だって、
 キツネもウサギも、みんなカワイイ~!

 それら《かわいい》が生まれた時代は、
 厳しい時代でもありました。
 幕末の混乱、
 江戸中期の息苦しさ、
 飢饉や政争、異常気象、戦争、
 そして天変地異……。

「かわいィものはァ、ほんとはァ、ぱわふるゥ!」
「がるぐるるがるぐる!」(←訳:可愛いものは強いのだ!)

 かわいい!けれど、ただのカワイイ!では終わらない、
 日本の近代デザイン史の一面を明らかにする、
 読み応えある一冊です。
 
 昭和史研究家さん、
 歴史好きさん、
 可愛いモノ大好きな御方は、ぜひ!

「なつかしィ~かわいらしさッ!」
「がるるぐるがるるるがる!」(←訳:読めば元気が湧いてきます!)
 
 
コメント
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